夢日記:考古学者と遺跡

高黄森哉

考古学


 私は海にいた。恐らく船に乗っているが、視界には船がないので確かではない。海からは文字が刻まれた直方体が林立している。上の方はどれも欠けている。


 船には黒人女性が載っていた。彼女は考古学者でいかにも考古学者的なベージュの帽子を身に着けている。彼女は遺跡の解説を始めた。


 手前に行くほど遺跡は古くなっています。


 遠景に注意を配ると、遺跡は遠くに行くほど、新しく複雑になっていた。一番手前がこの石で出来た直方体で、一番奥が高層ビルだった。


 なるほど。高層ビルも捉え様によっては遺跡である。考えによっては未来における遺跡なのだ。夢の自分が見つけた考え方に今になって納得する。


 ビルの向こう側は青く霞んでいた。遠すぎるのだ。高層ビルの時点で、かなり遠くにある。高層ビルも、かなり粗い景色である。


 あれは遠くの都市だろうか。


 でも、こういう風に考えることもできる。遺跡はあそこでお終いなのだと。あれが人類最後の遺跡なのだと。僕らは人類史の末端にいるのかもしれない。

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夢日記:考古学者と遺跡 高黄森哉 @kamikawa2001

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