夢を追い、夢破れ、何十年ぶりに故郷に帰った研究者。子供の頃に通った商店街は、すっかり様相を変えていて――。短編ながら映画一本を見たような充足感があります。生々しいBL表現は無いので、ヒューマンストーリーや感動系が好きな方はスルーせず読まれる事をお勧めします。文章技法そのものも秀逸で、とても素敵な作品でした。
そこで見つけた自分の場所は今まで頑張ってきた自分へのご褒美かもしれない
大人になったからこそ、見える状景があります。変わった街並みのなかに、変わらないものがある。喪ったものをいつくしむ心こそ大人の恋でしょう。