少女で暖を取る
高黄森哉
手をかざす
皆手を取り合って、
僕達の輪は雪上に現れた。
僕と仲間の輪の内側は、
雪が解けて地面が見えている。
僕達の円の中では、
火が真っすぐ立ち上っている。
風が吹かないからだ。
炎の中に少女がいて、
恨むでもなくじっと僕を見つめていた。
謝るつもりは毛頭ない。
これは仕方がないことなのだ。
少女を薪にして火をくべるのは、
生きるためには仕方がない。
そうでもしなければ、
僕達は凍え死んでしまうだろう。
少女は意外なほど良く燃えた。
少女というのは実際、良く燃えるのだ。
暖を取るには最も適している。
だけど一向に温まらなくて、
気が付くと僕達は手を取り合ったまま、
凍っていた。
仲間たちの死骸が火に照らされて影を伸ばす。
仲間に向けて手を伸ばしているから、
黒い†字架みたいだ。
少女で暖を取る 高黄森哉 @kamikawa2001
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