彼女の背中が示すもの

大きな書店の中で隠れるように、その空間に逃げ込むように、交流する男の子と少女。
淡々と進む日常に訪れた出来事は、本当に何気なく小さいのです。だけどそれは一生ものの、鮮烈な記憶となります。
少女が何を背負っているのか。それが理解できるようになっても、その上で感じる衝動。その罪悪感。
彼女の記憶だけが鮮やかに、世界は汚れていってしまう。
哀しさとやるせなさが静かに描かれた作品です。