5
10番テーブルだった。
陣内さんがいた。
また、ケガが増えてた。
わたしは、
「ご注文はお決まりですか?」
って言った。
「ほうれん草のソテーをひとつ」
「ご注文は以上でよろしいでしょうか?」
わたしの言葉に、ケガだらけの陣内さんがうなずく。
「それではご注文を繰り返します。ほうれん草のソテーが一点。以上でよろしいでしょうか?」
「はい。お願いします」
いつもと同じ受け答えを終えて、わたしはカウンターにもどった。
陣内さんは、冴えない見た目のただのおじさんにしか見えないし、いつも白Tシャツにチノパンだから、なんの仕事をしている人なのか、だれにも分からない——
——わたし以外は。
陣内さんの仕事 ノコギリマン @nokogiriman
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