第3話

俺は、

勇ましく立派な体を震わせながら進む。


相手を黙らせる、力を持った砲塔が

90度ぐるりと回転した。


俺たちがこの国の未来を作る。


あの国は俺たちのルーツなのだから、

こちら側にあるべきだ。


雄雄しくキャタピラを回転させながら、

それは俺の足だ。


飛んでいく砲弾は、

それは俺の眼光だ。


だけどなぜあの娘は泣いた?


俺が出陣する時に?


正義は常に神の加護を受ける。


俺たちは勝ち続けるだろう。


そして。


俺たちは進軍する。


勝ち続けることがどういうことか

あの娘の涙がなんだったのか

俺は

考えないことにした。


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詩片 あの高い塔から鳴る アリサカ・ユキ @siomi

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