第2話

銃を手にした青年は

そのトリガーを引き続ける


何のために?


戦争だから


いったいに

人間を殺すという行為に対して

本当の意味で

責任を取れる人間なんているのだろうか


友だちが

占領地で捕虜に辱めを与えたこと


それを英雄的行為のように語るあの声


どうかしてしまった


子どもの頃

小さなお菓子屋さんで

色とりどりな

たくさんの飴玉を買っていた老婦人


じっと見つめる自分に

1つ、くれた


お互いに笑顔になった

柱時計が鳴った


繰り返される、その音。


青年は

銃弾を受けた


1つ、2つ、無数に。


痛みはなかった


お母さん……


倒れていく身体

重いそれ


力の入らない指を無理やり動かして

銃を捨てた


平和が来る


天国。


どうかこの地上にも

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