詩片 あの高い塔から鳴る

アリサカ・ユキ

第1話

それは

あなた方への

祈りだった


生命が

コンビニに並べられた

ペットボトルのように

とるに足りない

同じ顔にされた

あの大地に生きるあなた方は


晴れ上がった空を

しかし

美しいと思うのでしょう


鉄の轍で

土に澱んだ油が滴り

収穫すべき価値あるものが

穢されていく


平和なここで生きる私たちは

つまらないことで

憎しみを持ちます


あなた方は

魂の重さを測って

隣人と手を握ったのでしょう


「私たちもそもそもは

つまらないことで

争いになったのです」


責任が人を大人にするように見せて

そこにこころの幼稚さが

同居することもあるように


戦争もまた

人たちに何がより人間のためなのか

考えさせながら

しかし世界はいまだ子供のままです


「拳を振り上げることほど

愚劣なことはない」


果てしない虚無がつくりあげられていき

連なる、死、死!


そこで人は言葉を失います


これは敬意と鎮魂と未来への祈りなのです

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