あとがき

 彼女らは踏み出した、あたらしい青春を見つけて。

 ……二人が本当に手に入れたものとは何だろう。二人は最初から、各々が自らの力で立っていられた筈だ。

 走者は走者として、絵描きは絵描きとして。

 だからもしも、出会いなどなくて、各々が上手く行った世界があったとしたら、どちらの方がサイワイだったのかと考えることがある。

 実のところ、ボクには分からない。

 これがあくまで、はじまりの物語だからかもしれないけれど。

 これがあくまで、彼女の本音だからかもしれないけれど。

 まあ、「果たし状」なんて名前で恋文を送るくらいには青春を手に入れたのだから、今はただ夢中で楽しめば良いんだろう。

 ボクらは、まだまだ子どもなんだから。

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あたらしい青春を 吉日 凪(きちじつ なぎ) @kichijitsu

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