名も無き君の物語

アカマツ クヌギ

序章・名も無き君の物語

 おーい、どこ行ってたんだ?探したぞ、

「あ、ライトさん、すいません少し気になることがあったんで調べてました!」

 ん?なんかあったのか?

「いえいえ、大したことじゃないですよ!」

「もう1年ですね、この世界に光がなくなってから」

 そーか、もうそんなに経ったんだな

「未だ原因不明と・・・。一体政府は何してるんでしょうか?」

 さーな、お偉いさんの考えることなんざ、馬鹿な俺にはわからん

「光がないおかげでメーザの力もかなり増加してますからねー、ほんとたまったもんじゃないですよ」

 まーな、でも愚痴ったって現実は変わらないんだし、今はできることをやろう

「そですね!ライトさんはもし光が戻ったら何したいですか?」

 そーだなぁ、うーん・・・。特にないかな

「え!欲がないですねー」

 そう言うお前は何したいんだ?

「私は・・・・・。忘れました!」

 は!?そんなことあるのかよ!

「あははは、でも私は今のままでもいいかなって思ってます、そりゃメーザの脅威が少なくなって安全に生活したいですけど、でも、もしそうなったらこんなふうにライトさんと旅をすることも、お話しすることもなくなっちゃうんじゃないかって、そう思っちゃうんです。」

 おいおい、やめてくれよ、別に光が戻ったとしても、いくらでも旅をする場所はあるだろ

「そうですね!うん、そうですよね!」

 ああ、、よしと!

 さてと、王都にはいつくらいに着く予定?

「えっとですね!大体、うーん、夕日が沈む頃でしょうか?」

 おいおい、逆さに地図見てどうすんだよ、しかもいつも日は沈みっぱなしなんだって、

「あ!そうでしたそうでした、一年たっても慣れないものですね地図を見るのは!」

 いやいや、それは学習能力ないだけやろ

「あははは、そうとも言いますね」

 そうとしか言わんは、まったく、先が思いやられるな

「大丈夫です!ライトさんといれば無敵です!」

 能天気でよろしい

 さてと、このままっ順調にいけば小一時間ってところか、大丈夫か?

「余裕ですよ!あまり私をみくびらないで頂きたい!」

 そんな言葉どこで覚えたんだよ、まあ大丈夫ならいいとしよう!

「はい!」

(とか言ってるけど、強がりなの見え見えなのよな、頑張りすぎるなって言いたいけどきっとこいつは・心配には及びません!・とか言って聞かないだろうし、なんとか休んでほしいんだけどなぁ・・・)

「ライトさん!前!」

 おっと、お出ましか、しゃーない、剣!


「おお、真っ二つ、流石ですね!」

 でもやっぱり、強くなってきてるな、最近メーザの中心格的存在も目撃されているらしいし忙しくなりそうだ

「お!つまりそいつを倒せばゲームクリアってわけですね!」

 いやいや、王国直属の兵でも倒せないらしいからな事はそう簡単じゃないっぽい

「え!あの王国直属兵でもですか、これは大事件の予感です」

 まあ、そういうことさ

 とりあえずできるだけ早く王都につこう

「はい!」


 よしやっとついたー長旅ご苦労さま!

 あれ?おーい

「は!いや寝てなんか無いですよ!これは一種の瞑想的なやつで、ライトさんを置いてうたた寝なんて」

 はいはいわかったわかった、王都についたぞ!ゆっくり休もう

「ううう、申し訳ないです」

 気にしとらんて、人間寝れる時に寝とかんとな!

「すいません・・」

 いいって、いいって


 (やっぱり寝付くのはやいな、よほど疲れてたんだろうな、いままで散々辛い思いしてきただろうに平気なフリばっかして、強いなぁ流石王女様・・か、もし世界に光が戻ったなら・・・いや戻らなくても)


 俺は、お前の一番そばにいる


「うん・・・」

 え!起きてたのかよ! 

「・・・」

 寝言かよ、超恥ずかしい思いするとこだったじゃないかああ

 俺も寝るかー

 

 おやすみ、・・・・名前も呼べないなんて、残酷だよなあ・・・・なあ神様

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名も無き君の物語 アカマツ クヌギ @Akamatu_Kunugi

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