第2章 告白、そして‥‥

***萌side ***


昨日のあの出来事のせいで私の頭の中はお兄ちゃんのことでいっぱい。


正確に言うと

あのいやらしい指の感触で頭も身体もいっぱいで。


あのいつも優しいお兄ちゃんが本当にあんなことをしたのかな


信じられないくらいいやらしかった


今まで私のことそういう目で見てたのかな


私のこと好きなのかな


実の妹の私を


ううん

まさかそんなことありえない


ただの悪戯

悪ふざけ

それとも私が見た夢


夢だとしたらなんてリアルな夢‥‥


とりとめのない考えに支配されてリビングに行くのが怖くて

お兄ちゃんは出掛けていてずっと家にはいなかったけれど

私はほとんど自分の部屋で過ごして一日が過ぎた。


夜になり

お風呂から上がって部屋に戻った私はドレッサーの前で髪を乾かしていた。


時計を見ると十一時。


明日になればお母さん達が帰って来る。

そうしたらこのおかしな夢のような状態も終わって普通の毎日に戻る気がする。


早く会いたい

もう寝よう


その時メールの着信音がして

見てみると友達から

今テレビでアイズが出てるけど見てる?!って内容だった。


えっ

チェックしてなかった


アイズは私の大好きなアイドルグループ

私の部屋にはテレビがないからリビングに行かなきゃ見ることができない。


さっき家に帰って来たお兄ちゃん

隣の部屋には気配がないから

お風呂に入っているかもう上がってリビングにいるか。


私は部屋のドアをそっと開けてリビングの気配を探った。

物音は聞こえない。


ちょっとだけなら大丈夫かも

だってすごく見たい


私は音を立てないようにリビングへ駆け出した。


明かりの消えたリビングにお兄ちゃんの姿はない。


まだお風呂みたい


ほっとしてソファに飛び乗るとテレビをつけた。


たまに見ている音楽番組

ちょうどアイズが歌い始めた。


わーいやったあ

思わず口ずさんじゃう


二曲目はこの前発売されたばかりの新曲

私も勿論持っているし振り付けも完璧。

大好きな北森君がアップになるとすごく嬉しい。


ご機嫌で一緒に歌っていると


「楽しそうだな」


「!」


いつの間にかお兄ちゃんがリビングのドアのところに立っていて

可笑しそうにこっちを見ていた。


「‥‥っ!」


身体が勝手にびくんと震えた。


お兄ちゃん

いつの間に


「う、うん、だってアイズが出てるから」


私はなんとか平静を装った。


「ああ、萌の好きなアイドルな」


お兄ちゃんは普通の調子でそう言って笑った。


あれ

今の感じ

いつものお兄ちゃんだ


昨日のことはやっぱり夢だったのかな


頭にバスタオルを被りTシャツにスウェット姿のお兄ちゃん

髪を拭きながらリビングにやって来ると

私が腰掛けている三人掛けのソファに腰を下ろした。


一人掛けのソファだって二つあるのに

どうしてここに座るの


微かな振動が伝わって胸が苦しい。


ソファはかなり大きめだから

真ん中に腰掛けている私と左端に腰かけたお兄ちゃんの間は一メートルくらい離れている。

けれどすごく近く感じて平常心ではいられない

昨日のあの夢のような出来事を思い出してしまう。


昨日と同じネグリジェタイプのパジャマ

私はさりげなく裾の乱れを直して

膝の上に両手を置いた。


明かりの消えているリビングはテレビの画面だけが辺りを照らしていて

テレビが暗いシーンになるとリビングも暗くなってしまう。

お兄ちゃんは黙ったままで動く気配もない。


変な空気

緊張する

どうしよう


横目でお兄ちゃんをそっと窺った。


すると

さっきから私を見ていたようなお兄ちゃんの瞳がそこにあった。


濡れた前髪の奥

私だけを映している切れ長の美しい瞳

ぞくりと胸が震える。


お兄ちゃんは何も言わず目を細めて私を見つめている。


やだ

どうしてそんな目で見るの


視線を振り払うように俯くと

お兄ちゃんのフッという笑い声が聞こえた。


「‥‥可愛いな、萌は」


妖しい笑いを含んだ声

いつもの明るく優しい言い方とは明らかに違う。

息苦しさに耐えられなくなった私は跳ねるようにソファから立ち上がった。


だめ

部屋に戻ろう


じゃないと

もしかしたら

また


急いでお兄ちゃんの前を通り抜けようとしたその時

腕を掴まれた。


「!」


「萌」


お兄ちゃんが私の名前を呼んだかと思うと

掴んだ腕をぐっと引っ張った。


「きゃっ!」


私はお兄ちゃんの胸の中に倒れこんだ。

すぐさま脇の下に入った両手

軽々と持ち上げられて

膝の上に座るような体勢に抱き直される。


囲われた腕の中

ぎゅっと抱き締められて

広くて厚い胸に頬が触れた。

Tシャツ越しでもはっきりとわかる固い筋肉。


「お、お兄ちゃん‥‥?!」


「この前萌と一緒にいた男って‥‥萌の彼氏?」


お兄ちゃんが唐突に呟いた。


「えっ」


彼氏


確かに私にはつい最近初めての彼氏ができた。

同じ部活のタカシ先輩。


みんなの憧れの先輩

私もみんなと同じように憧れていたから

付き合って欲しいって言われて嬉しかった。


一昨日家まで送ってくれた時に偶然お兄ちゃんと鉢合わせて

その時は会釈をしただけで何も言わなかったのに。


「あいつと、もうキスした?」


「え‥‥?!」


キス


どうしてそんなこと聞くの


前にお兄ちゃんとお喋りした時に

ハツカレもまだだからキスもしたことないなんて話をしたことがあるけれど

どうして今そんなことを


頭が混乱して言葉が出てこない。


「セックスは、したの‥‥?」


「!!」


セックス


やだ

何を言ってるの


「やだっ、お兄ちゃんのエッチ!もう離してっ」


両手でお兄ちゃんの胸を押し返して離れようとしたけれど

固く回された腕はほどけない。


「は、離してってばっ‥‥!」


「離さない‥‥」


「?!」


「誰にも渡したくない‥‥」


背中に回っていた手に首の後ろを掴まれて

強引にお兄ちゃんの顔と向かい合わせにさせられる。


「やっ‥‥!」


「萌が悪いんだよ‥‥俺を狂わせて‥‥」


濡れた前髪の奥の燃えるような瞳

怖くて必死に目を逸らすけれど

お兄ちゃんの顔はゆっくりと近づいてくる。


えっ

何‥‥?

怖い‥‥っ


ぎゅっと目を閉じた次の瞬間

唇に熱を感じた。


え‥‥っ


まさ


薄く開いた目の前に

顔を傾け私に頬を寄せているお兄ちゃん

燃え盛る炎のようだった瞳が今は静かに伏せられて

その唇は

私の唇と重なっていた。


私の唇がお兄ちゃんの唇と


どういう

こと


お兄ちゃんが被っていたバスタオルが音もなく床に落ちた。


唇は離れたかと思うと又重なって

その度に少しずつ角度が変わる。

そして少しずつ長くなっていく。


大きくて熱いお兄ちゃんの唇

触れるだけだったそれは柔らかなものを味わうように動きだす。


「好きだ、萌‥‥」


甘いため息のような囁きが聞こえた。


「ずっとこうしたくて、たまらなかった‥‥」


え‥‥っ


好き‥‥?


私を‥‥?


でも言葉にならない

又口づけで唇を塞がれる。


私が好き


妹の私を


まさかそんな

これは現実なの


私は抵抗するのも忘れて

呆然とお兄ちゃんの口づけを受け入れていた。


何度目かの口づけ

お兄ちゃんの舌が私の唇を割って侵入してきた。


「ん‥‥ッ!」


お兄ちゃんの舌が私の舌を求め

柔らかに絡まっては解ける。

熟した果実を味わうようにお兄ちゃんの口はゆっくりと動く。


まるで食べられているみたい

舌だけじゃなく身体全部が咀嚼されているよう

溶けてしまう


どんどん息が上がって身体が熱くなっていく。


「昨日の続き、しようか‥‥」


不意に囁かれて

我に返った身体がびくんと跳ねた。


やっぱりあれは夢なんかじゃなかったんだ

私のことが好きだからあんなことを


「や、やだ、離して‥‥っ」


身をよじって腕の中から逃れようとするけれど

背中に回された腕はびくともしない。


「もう我慢できないよ‥‥」


焦れきった声。


「萌に、色んなこと、したい‥‥」


刺激的な言葉が熱い息と共に耳に吹き込まる。


「萌を、もっと感じさせたい‥‥」


吐息まじりの狂おしい囁き

頭がくらくらして手足から力が抜けてしまう

その身体を強く抱き寄せられて


「‥‥パジャマの下、ノーブラ‥‥?」


その言葉に

お兄ちゃんの胸に触れている自分の乳首が固くなっていることに気づく。


「やッ、やだ‥‥っ」


身体を離そうとするけれど腕に力が入らない。


「触っても、いい‥‥?」


えっ

そんなことだめに決まってる


でも言葉にならない内にお兄ちゃんの手はパジャマの裾をまくり上げ

中へと滑り込んだ。


「きゃっ!」


大きくて熱い手が私の左胸を下からきゅうっと揉み上げる。


「ゃあん‥‥ッ!」


「萌の胸、こんなに大きいんだ‥‥」


興奮の色を帯びたお兄ちゃんの声

その手が丸く円を描くように胸を揉みしだく。


「あん、やだ、だめ‥‥ッ」


背中に回された腕は力強くて身体の向きを変えることさえできない。

お兄ちゃんの手はゆっくりといやらしく動き続ける。


「‥‥んッ‥‥アっ、や、だ‥‥ッ」


「感じてるんだろ、萌‥‥」


お兄ちゃんの指が何の前触れもなく胸の先端を摘まみ上げた。


「ああ‥‥ッ!」


電気が走るような感覚に背筋がピンと伸びる。

顎を上げた首筋に這うお兄ちゃんの舌

そして指の間に挟まれた乳首はその形を確かめるように執拗にいじられる。


「だ、だめ‥‥ッ、あ、あン‥‥ッ」


乳首と下半身にたまっていく熱

じんじんと耐え難いほどに疼いて

昨日のようにパンティが濡れていくのがわかる。


「ン‥‥ッ、お兄ちゃん、もう、やめて‥‥ッ、あ‥‥ッ‥‥ッ!」


「萌、恥ずかしがらないで、いっぱい感じていいんだよ‥‥」


優しく煽られて更に熱くなる身体

そして胸を責めあげた手は肌に密着したまま下へと移動していく。


まさか

昨日のようにまたあそこを触ろうとしてるの

そんなのだめ


「お兄ちゃん、だ、だめ‥‥!」


「何がだめなの‥‥?」


余裕たっぷりの甘い声。


「これ以上は、もう‥‥」


荒い息を抑えつけ

お兄ちゃんの顔を見上げて首を横に振った。

目を細めて私を見つめるお兄ちゃんと視線が絡み合う。


「そんな可愛い顔でお願いされると、余計に責めてみたくなる‥‥」


甘苦しく寄せられた端正な眉根

再び動き始めた右手が

パンティ越しに片方のお尻を鷲掴みした。


「ああ‥‥ッ!」


割れ目に指がかかるように掴まれたお尻

全身にぞくりと鳥肌が立つ。


そして昨日のようにいやらしく撫で回されて


「あん‥‥ッ!や、やだあ‥‥ッ!」


「萌のお尻、可愛い‥‥」


お兄ちゃんの手が動く度にびくんびくんと身体が勝手に反応してしまう。


「お、お願い‥‥ッ、もう、やめて‥‥っ!」


力の入らない手足を必死に動かして

お兄ちゃんの腕や胸を叩いて止めようとするけれど


「それで抵抗してるつもり‥‥?」


お兄ちゃんは私の頬に口づけながら静かに笑って

背中に回していた手を離すとその片手一本で私の両手を後ろにまとめ上げた。


手首に感じる大きくて長いお兄ちゃんの指。


「‥‥俺、バスケットボール片手で持てるんだよね‥‥」


「やだっ、離、して‥‥ッ」


掴まれた両手は腰のあたりで固定されて

お兄ちゃんは力を入れているように見えないのに動かすこともできない。


「萌があんまり暴れるから‥‥悪く思わないで」


耳元で囁かれて

そのまま顎のラインをなぞるように移動した唇に口づけられる。


「ん、んゥ‥‥ッ!」


舌をちゅくっと吸い上げられて

また深い口づけを施されて気が遠くなる。


そしてお尻を撫で回していた手はウエストをなぞりながら前の方へと回り込み

私の両足の間にはお兄ちゃんの片足が差し込まれて

閉じていた両足が割られる。


まさかこれってあそこを触る準備


私は首を振って口づけを解いた。


「お、お兄ちゃん、ちょっと待って‥‥っ、や、だ‥‥ッ!」


お兄ちゃんは私を強く見つめたままパンティに指をかける。


「やめて、お兄ちゃん‥‥っ、お願い‥‥っ」


声が震えた。


「‥‥だめだ‥‥触るよ‥‥」


熱い眼差しと力強い囁き

真っ直ぐに下りてきた指先が

そのままパンティ越しに縦溝を撫で下ろした。


「ンゥッ!」


身体全体がぎゅっと収縮し歯を食いしばる。

強く触られた訳じゃないのに痛いほどの刺激。


「びしょびしょじゃないか‥‥」


お兄ちゃんが驚きと興奮の声をあげる。

パンティの濡れ具合を確かめるように上下に動く指先

その指とあそこの間でパンティがぬるぬると動く。


「や、やめて‥‥触らないで‥‥ッ」


「ああこんなに濡れて‥‥可愛いよ萌‥‥」


お兄ちゃんはねっとりと指を動かしながら私の耳たぶを甘噛みし舌を這わせる。


「じっくり責めてあげるからね‥‥」


「‥‥っ」


荒い息と共に吹き込まれた淫らな言葉に震えが走る。


じっくり責めるだなんてそんな

どんなことをされてしまうの


お兄ちゃんはあそこから指を離すと

今度はパジャマのボタンに手をかけた。


「や、やめてっ」


片手であっという間に外された全てのボタン

前を大きくはだけさせられて

パンティ一枚の身体がお兄ちゃんの目の前に晒される。


「綺麗だ‥‥たまらないよ‥‥萌‥‥」


お兄ちゃんは熱に浮かされたように囁くと

身を屈め剥き出しの乳首を口に含んだ。


「ん‥‥ッ!」


温かい口の中できゅうっと強く吸い上げられた瞬間

刺激が弾け全身に散った。


「アアアッ!」


思わず天を仰いで声を上げる。


吸われては舌で絡めとるように捏ねらて

あまりにもいやらしく責められる。


「お兄ちゃん‥‥ッ、あ、あん‥‥っ、そんなことしちゃ、い、やぁ‥‥ッ」


そして再び下へと滑り落ちたお兄ちゃんの右手

次の瞬間

その指が縦溝のある一点をきゅっと押した。


「きゃああんッ!!」


突き抜けるような衝撃

身体全体が大きく跳ね上がった。


今の感覚‥‥っ


ゆっくりと顔を上げたお兄ちゃんが私の顔を覗きこむ。


「萌‥‥ここ、初めてなのか‥‥?」


ぬるぬると擦られるその敏感な場所

痛いほどの快感が突き抜け身体が弓なりに反り返る。


「ああん‥‥ッ!!だめ、だめえ‥‥!」


私は強く身体をよじった。


快感だなんて認めたくはない

けれどごまかせない


「萌、ここを自分で触ったこと、ないのか‥‥?」


お兄ちゃんは優しい指遣いでそこを擦ったり押したりする。


「あ、あるわけないよ‥‥!お兄ちゃん、そこ、やだあ‥‥ッ!」


甘苦しい痺れがつま先まで走り両足が強張る。


「こんなに敏感な身体が手つかずだったなんて‥‥たまらないよ」


「はあっ、だめ、ああ、だめぇ‥‥っ」


お兄ちゃんは指を動かしながら欲情した表情で私の反応を楽しんでいる。


「可愛い萌‥‥俺が初めて萌をイかせてあげるからね‥‥」


「もうやめ、て、離してッ‥‥ああん‥‥ッ!」


「ああ‥‥こんなに固くなって‥‥もう爆ぜちゃいそうだ‥‥」


ゆっくりと円を描くようにして刺激するお兄ちゃんの指先が

その芯のようなものが固く立ち上がっていることを私に教える。

そしてお兄ちゃんは私の乳首を再び口に含み

指使いと同じ緩慢さで乳首を転がし始める。


上と下

同時に与えられる狂おしい螺旋の快感。


「やっ‥‥ッ、お、兄ちゃ‥‥んッ、だめ、ああん!」


言葉通りにじっくりと責められて

受け止め続けるしかない私の身体は追い詰められていく。


もうだめ


こんなにいやらしいことをお兄ちゃんにされてしまうなんて

そしてこんなに感じてしまうなんて

自分が信じられない


「‥‥萌、これ‥‥もう脱ごうか‥‥」


お兄ちゃんの指が敏感な芯からそれて

パンティのクロッチ部分と肌の境目をつうっとなぞり上げた。


「んッ‥‥!」


きわどい部分に指先を感じて背筋に震えが走る。


脱ぐってパンティを


「それとも、ここから入れる‥‥?」


指先が少しだけパンティの内側に侵入する。


「や、あんっ!だめぇ‥‥ッ」


生々しい指の感触

あと少しで直接触れられてしまいそう

それだけはだめ


私の首筋に唇を這わせながらお兄ちゃんが熱いため息をつく。


「萌を焦らしてるつもりが、俺が焦らされてるよ‥‥」


「お兄ちゃんお願い、もうやめて‥‥っ」


「もう少し、足開いて‥‥」


お兄ちゃんが絡ませた足を強引に動かした。


「あん!やあっ‥‥!」


私が強く身体をよじらせたその時

リビングに電話の着信音が鳴り響いた。

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禁断♰兄妹 しののめ くう @shinonome49

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