第1章 悪戯

***萌side ***


土曜日の夜

私は一人リビングでテレビを見ていた。


お母さんとお父さんは懸賞に当たったとかで

今日から二泊三日の旅行に出掛けてしまって

私とお兄ちゃんは明後日までお留守番。


お母さん達がいないのは寂しいけれど

お兄ちゃんと一緒なら大丈夫。


でも

今日のお兄ちゃんは夕方からアルバイトで夜遅くまで帰って来れないって。


つまらない

二人でゲームとかしたかったのにな


ぼんやりテレビを見ているうちに

私はそのままリビングのソファで眠りこんでしまった。


ふと目を覚ますと灯りもテレビも消えていて

私の身体にはブランケット。


きっと帰ってきたお兄ちゃんがかけてくれたんだ

優しいな


幸せな気持ちで寝返りをうって壁の時計を眺める。

真っ暗な室内に目が慣れてきて文字盤が読めた。


一時


私はブランケットを首元まで引き上げた。


眠い


いつもなら自分の部屋のベッドで寝なさいって言われるけれど

今日はお母さん達もいないし


又うとうとし始めてどれくらい経ったのか

カチャリと音がして

リビングのドアが開いたのがわかった。


お兄ちゃんだ


でも身体はまだ眠りの中にあって起き上がれない。


静かに近づいてきたお兄ちゃんは

ブランケットの乱れを直してくれているみたい。


そしてソファの右端に腰を下ろした気配

ちょうど私の足の方。


「萌‥‥」


お兄ちゃんの声。


「萌、こんなとこで寝て、風邪引くぞ‥‥」


そんな言葉が聞こえた。

                                      

起き上がっておかえりって言いたいけれど

だめ

眠い


またブランケットを直してくれている気配

お兄ちゃんの手が私の身体に触れる。


でもその手が

なんとなく

私の身体に触れたままになっている気がする。


ブランケットの内側に入っているお兄ちゃんの手が

短めのネグリジェタイプのパジャマを着ている私の膝に

触れたままになっている気がする。


まさか

わざと触ってるの‥‥?


一瞬で眠気が覚めてドキンと胸が騒ぐ。


まさか


急に心臓がドキドキ息苦しい。


どうしよう

寝たふりを続けた方がいいの

でも今起き上がったらなんて言えばいいの


迷っているうちに私の膝に置かれていた手が

肌に密着したままゆっくりと太ももへ上がってきた。


えっ


大きな手のひらがゆっくりと移動して

太ももの後ろ側の柔らかい部分を撫で上げる。


あ‥‥っ


ぞくっとする感覚

身体に震えが走りそうになるのを必死に堪える。


息を殺して呼吸を続けるけれど乱れてしまいそう

やだ

もうやめて


でもお兄ちゃんの手は止まらない。

太ももを触っていた手はそのままパンティ越しにお尻を撫で上げた。


‥‥っ!


声を上げてしまうことはなんとか耐えたけれど

そのままいやらしい手つきで撫で回されて茫然とする。


信じられない

私お兄ちゃんにお尻を触られてる


どうして

お兄ちゃんもうやめて


願いは届かず触られ続けて

どんどん熱くなっていく身体

そしてなんだかあそこがじんじんと熱い。


やだ

パンティが濡れてきてるみたい


急に生理が始まってしまったの

ううん

なんだか違う


初めての感覚に戸惑っているうちに

撫で回していた手がお尻の割れ目に沿って少しずつ奥へと動いていく。


え‥‥っ


まさかお兄ちゃん

あそこを触る気なの


頭が真っ白になる。


まさか

本当にそんなことしちゃうの


次の瞬間

閉じ合わせている両足の間を強引に抜けた指が

パンティの上からあそこに押し当てられた。


あああっ‥‥!!


声を上げることは耐えたけれど僅かに身体が震えた。


布越しでもはっきりと感じる熱い指

その指が縦溝をなぞるようにゆっくりと動き出す。


ああッ‥‥?!

いやぁ‥‥っ!!


声を上げてしまいそうになるのを唇を噛んで必死に堪える。


もうだめ

やめて


心の中で叫ぶけれど指は動き続けて

微かに聞こえるお兄ちゃんの呼吸が荒くなっていく。


お兄ちゃん興奮してる


そして私の息も知らず知らずのうちに速くなってきて

寝息を装うのが苦しいほど。


もしかして

感じるってこういうことなの

濡れるってこういうことなの


内緒で読んだことのあるエッチな漫画や大人の小説

それに描かれていたことってこういうことだったの


すごい


もうだめ

声を上げてしまいそう


その時

お尻のほうからあそこに当てられていた指がすうっと引き抜かれた。


安堵する間もなくその手は私のおへその方へと回り

パンティの履き口に指がかかった感触。


え‥‥っ


もしかして

前からパンティの中に手を入れる気‥‥?


一瞬息さえ止まる。


お尻の方から布越しにあそこを触る指は窮屈そうだったけれど

今度は前から

直接


だめ

そんなこと絶対にだめ


私はとっさに身体をよじり

目が覚めそうな演技をした。


「う、うーん‥‥」


素早く離れた指先

身体を起こしたお兄ちゃんは立ち上がり

静かにリビングを出ていった。


ドアの閉まる小さな音が聞こえた瞬間

私は大きく息をついた。


震える息で何度も深呼吸

心臓は爆発しそうなほど暴れ息が上がっている。


お兄ちゃんにお尻やあそこを触られてしまった

あんなにいやらしく


さっきまでお兄ちゃんの指があったその場所

パンティの上から押さえてみると驚くほど濡れていた。


こんな状態だったなんて


私はブランケットの中でぎゅっと丸くなった。


何度もなぞり上げられた感触が生々しく残っている縦溝

その奥がじんじんと痛いほど熱い。


もし目が覚めそうなふりをしなかったらどうなっていたんだろう

あのままパンティの中に手を入れられて

直接あそこを触られていたのかな


想像しただけで身も心も震えた。


カッコよくて優しくて

ずっと憧れていたお兄ちゃんにまさかこんなことをされてしまうなんて


お兄ちゃんは私のことそういう目で見てたの


私達は兄妹なのに


「母さん達もいないし、二人だけの秘密だよ‥‥」


頭の中のお兄ちゃんが色っぽく微笑む。


やだ嘘

違う

だめ

だめだよ‥‥!


私はふらふらと自分の部屋に戻るとそのままベッドに倒れこんだ。


目が回る

もうだめ‥‥


私はそのまま眠りに落ちていった。

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