京都・宇治・香川編

其の壱・宇治~一条戻橋

 十二月に霞の如く消え去った俺の希望休。そして風の如く過ぎ去った一月。

 友人の結婚のお祝いで香川県に行く事が決定し、連日のあまりの忙しさに「もういい、もうたくさんだ……!!(コンボイ)」となったスキマは二月にしてようやくの3連休を取得。


 人生初の京都へGO!

 なお、地元を出発した時間は朝の6時半です!(笑)


 京都といえば様々な名所やお寺に神社がある歴史ある素敵な場所ですね。


 2022年に【首葛籠】という作品を書きまして。

作品リンク https://kakuyomu.jp/works/16816927859914890483


 この作品では平安や室町時代の京の都が登場するのですが、その舞台となった各所をまずは御礼も兼ねてお参りです。

 そう、いうなれば自作聖地巡礼……たっのしみぃいい!!




 新幹線で数時間、モンハンで数クエストをこなしながら京都へ。

 念願の休みだ、1分たりとも無駄にするなという恐ろしい社畜精神……でもクエストは楽しかった♪



 京都駅で荷物を預け、JR奈良線に乗り換え。

 稲荷前でほとんどの人が降りたので、宇治まではのんびり座りながら電車に揺られておりました。


 宇治駅から徒歩でまずは電車の窓から見えた宇治橋へ!

 そう宇治の橋姫はこの橋の守り神ともされている神様。平家物語に登場する縁切りや丑の刻参りの話が有名ですが、元は源氏物語や和歌に詠まれることもあった神様なのですね。

 ゆったりと深呼吸をしながら橋を西詰から往復。元々のお社があったという三の間から川を眺めました。綺麗で大きな川は水底が見えるほど。

 水の美しさも恐ろしさも、両方が見え隠れする荘厳な景色に思わずため息が。


 そこから平等院へと向かう参道を逸れて、橋姫神社へ。

 此処も首葛籠の中でも重要な場所の一つ。宮司さんも居らず社務所も閉じたままの静かで小さな神社でしたが、旅最大の目的の一つを果たして感無量です。

 橋姫社と住吉社、どちらにもしっかりとお参りを。橋姫様には、作品にお名前を使わせていただいた事についてもしっかり御礼の気持ちを込めて。

 信仰心とか、そんなにない人間だと思うんですが、やはりお名前を借りたらなるべく其処へご挨拶に行くようにしています。

 橋姫神社は縁切りの神様としても有名、ここぞとばかりに仕事との悪縁断絶をお願いしてきました(苦笑)



 さてここから念願の平等院鳳凰堂……の前に!

 中村藤吉の平等院店を発見。宇治駅近くの本店を狙っていたのですが、朝6時に出発したスキマ、既にお腹がぺこぺこです。

 しかもどうやら、宇治川の景色を眺めながら食事ができる窓際のスペースが空いている。これはもう行かねば……!

 店内は落ち着いた雰囲気でしたが、レジはセルフで打ち込むタブレット方式。接客的な面でも、観光地の店舗の今後増えるお客様への対応対策は気になるところなので、しっかり色々見てしまう。あゝ無常。

 そして窓際の席で平等院限定のまるとパフェ「みどりの世界」と、本日のほうじ茶を堪能。う、旨い。頭空っぽにしながら抹茶パフェを食べました、驚きの旨さです……。

 源平合戦の時代には、この川ももの凄い戦場になったといいますが。この穏やかな景色を眺めつつ、自作のキャラたちに「時代は変わったなぁ」とか言わせながら抹茶ゼリィやパフェ食べさせたいなとか。



 さてそこから参道をのんびりと歩き、平等院鳳凰堂へ。

 小学生の頃、歴史が大好きだったスキマは一世を風靡した藤原一族の栄華を集結したともいえるこの場所を、「いつか行ってみたい場所」と思っておりまして。

 大人になったら行けるんやで〜なんて思いながら、鳳凰堂の内部も拝観。

 とても素晴らしい阿弥陀様と雲中供養菩薩像に、四方の壁の壁画。きっと平安時代の人達は、こんな景色を夢見たのだろうなと。

 御朱印もいただき、ミュージアム内の仏像もしっかり拝観。重要文化財ばかりなので、やはり写真は撮れませんがどこを見渡しても素晴らしいものばかりで感動。

 実はこの場所、酒呑童子や玉藻前、大嶽丸といった平安時代の日本三代妖怪の遺骸が納められていたという伝説の宇治の院のモデルとも言われております。



 そこから川原を歩き、源氏物語の記念碑を見つつ、反対の岸へ。

 宇治神社と宇治上神社へ足を運びました。

 仁徳天皇の弟君であった菟道稚郎子命が祀られている神社でして。後由緒を知ると切なくなってしまう場所でも。みかえり兎が可愛いです。


 さて、ここに来て源氏物語ミュージアムがなんと工事中で休館、ガッデム。

 ぐるりと回り、もう一度宇治橋を渡ってから京都へと戻ります。


 この時点で16時。行きたかったラーメン屋は定休日、そして一番近い目的地の一つである三十三間堂は拝観が16時まで。


 ……つ、詰んだ。


 京都駅で途方に暮れるスキマ。

 今から金閣寺も清水寺も時間内には間に合わぬ……。


 そうしてふと京都の地図を検索して閃いたのです。


「あ、一条戻橋にいこう」


 ここでバスに飛び乗り、稀代の天才陰陽師と言われている安倍晴明が祀られている晴明神社へ!

 突然なんで閃いたのか……天啓だったのかもしれませんね。


 さすが人気の晴明様、神社は夕刻ですが人もそこそこ居ました。

 御参りをして、御朱印とおみくじを。

「人のふりみて我がふり直せ」という結果に心当たりがありすぎて苦笑するスキマ。仕事で連日皆イライラして八つ当たりも凄い環境なのですが、そんな中できちんと自分を見つめ直してイライラしないようにしようと……できるかな、うん、なるべく心掛けよう。


 そしてそこから徒歩5分もしない場所に。

 ありました一条戻橋! 強火の歴史ヲタク、橋の袂で天を仰ぐ(只の変人)。


 ここは伝説で渡辺綱が女に化けた鬼の腕を斬り落としたと言われている場所。元々は平安時代に漢学者の三善清行が亡くなった際、この橋に彼の棺が差し掛かった頃にお別れを云うことができなかった息子が駆けつけ、父親に別れを告げられなかった事を悔やみ祈ったところ、棺の中の父が息を吹き返した——と云う伝承からこの名が付けられた橋。

 一説にはこの鬼が茨木童子であったという伝説もあり(羅城門にも同じような伝説がある)、首葛籠でもその伝承を使わせていただいてるんですね。

 今の世では、車も自転車も通り抜ける普通の路のひとつ。でも初日にして充実感が凄かった。


 宇治橋と同じ日に戻り橋に来れて本当によかったなぁと。


 個人的な感想としては、伝承に「一足で三里を跨ぐ」とか確かあったために、宇治〜羅城門間を3歩で跳びすさらせた茨木童子ヤベェなってなりました(絶対歩けん)


 ホテルにチェックインし、台湾まぜそばとご飯のセットを完食した後、コンビニでレモンサワーとおつまみを購入。どう考えても食い過ぎである。

 そして部屋で会社の提出物を片付けるという……初日の夜も何故か社畜魂を全開にして更けてゆくのでした。

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すきま参行巡礼記 すきま讚魚 @Schwalbe343

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