とりあえず、もう、何もできなくなりました。
大粒ラムネ
そりゃ、死んだら終わりよね
「はぁ、」
自然とため息が漏れる。
何に対してかって?
もちろん自分に対してさ。
俺はこの人生をすでにドブに捨ててしまった。
俺の個人的意見ではあるが、人の人生は大方が高校生、もしくは大学生までに決まると思うのだよ。
高校生との時にどれだけいい友人と出会えたか。
高校生の時にどれだけ興味のある事柄に対して知識を蓄えられたか。
どれだけ自分のスキルを高めることができたか。
このような思春期の頃の経験こそが人生の方向性を決めると言っても過言ではないと俺は確信している。
しかし、それに気づいたのは30代になった頃だった。
すでに俺の中で常識という名の偏見が出来上がってしまっている。
言い換えれば、すでに俺の人生の方向性、癖はすでに形ができてしまったのだ。
先ほどから「既に」という言葉を何度か使っているが、言葉通りもう何もかもが間に合わないのだ。
今から一念発起して会社を起こしてもいいかもしれない。しかし、きっとその事業は今俺の勤めている会社に似通ったものになってしまうだろう。
それはなぜか?
簡単だ。もう俺の中で 得意なこと・不得意なこと として分類が完璧に終わってしまっているからだ。今更完全に新しいことにチャレンジしようにも、俺の中の常識がそれを許さない。
文字通り、何もかもが、手遅れだ。
しかし、そんな俺にも転機が訪れる。
今、現在進行形で、
俺は死にかけている。
たった今、
俺の目の前には時速80キロを超えているであろうトラックが迫っている。
しかし、不思議と俺の脳は冴え渡っている。
(あ、俺死ぬのか。来世とか、そういうものってあるのかな)
別に俺は仏教徒ではないのだが、日本人である所為か自然とそんなことを考えてしまう。
(もしかして記憶を持ったまま転生して無双したりするんだろうか)
この男、とてつもなく呑気である。
(これあれか、世界を渡る時に色々考えると某スライムみたいに大賢者とか捕食者とかスキル得られるやつか)
そして思考も冴え渡り過ぎである。
(はあ、結局童貞のままだったな。魔法使いどころか賢者、大賢者も夢じゃなかったな)
そしてこいつ本気でやるつもりである。人生最後の瞬間にやることがそれとは、あまりの情けなさにキリストも涙ちょちょ切れであろう。
俺はこの世界を何か変えられたかなぁ。
う〜ん、確か小学生の頃に名前も忘れたけど女子に告白したな。
(とうとう返事は来なかったけど)
しかし俺この世界で何もできてなくないか?
自分で言っててあれだがあまりにも情けないな。
せめて誰か困ってる人に寄付でもするんだったな。
(はぁ、こんな時に今さら後悔なんてな。)
柄でもないのになんでこんな事を思うんだろうかね。
まさに後悔先に立たずとはこのことであろう。
もうどうしようもないところまで来てからようやく後悔に気付くものである。
(はぁ、そろそろ車にボルテッカーかまされてお陀仏かな)
(うん、短くともいい人生だったのではないか?)
(カニも何回か食べられたし。うん。)
あれ、これもしかして幸せの思い出、本当にカニだけ?!
そんなことある?!
もっと彼女とか・・・・・・いないな。
じゃあ何か友人とイベント・・・・無かったな。
えっと他には・・・・・ないな。
あれ、これ本当にないじゃん。
ウソ、世界を変えるどころか幸せすらまともに享受してないじゃん?!
こんなとこで死ねるか?!
絶対生き残ってやる!
俺はまだこの世界に未練たらたらなんだ!
絶対に幸せになってやr・・・・
「今朝午前8時ごろ、法定速度を超過して走行していた大型トラックが通勤途中だったとみられる男性と接触事故を起こしました。」
「男性は救急搬送されたのち、病院で 亡くなりました 」
オレのいしきは、モウ、殆どノコッテイナイ。
ナニも、デキナカッタ。
ソシて、モウ、ナニモデキナイ。
モウ、欲望をイダクコトサエ、デキナイ。
終ワりあルノミ・・・
ーーーーーーーーーー
ウェブ小説を読んでいたらなんだか書きたくなってしまったので、そのモヤモヤを消化するために書きました。
テーマ(?)としては、
死んだら何もできなくなるし、結局いつ死ぬのかわからないんだから今を全力で生きてみなよ。
って事を書いてみました。
初めてこういう物を書いたっていうのも相まってなんだか表現が拙いというか、そもそも読むのが不快だったかもしれません。
そういう方はここまで読んでくださってありがとうございました。
できれば気持ち悪かったところなんかをレビューとかコメントしてくださるとありがたいです。
もし今後、また書きたい欲が出た時は書くかもしれません。
とりあえず、もう、何もできなくなりました。 大粒ラムネ @uyusyo
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