20歳の僕

宇田川ルキ

過去から未来

昔は小説家になりたかった

わりと現実的だった僕は、小説家で食べて行けないことは中学生のときからわかっていた

よく自分の空想の世界に浸っては筆を走らせ、ノートに何冊もまとめてた


いつか、このカクヨムでデビューして、かの有名な某出版会社で書籍化してアニメ化もなんてそんな大きな夢を描いてた

まぁ、その出版会社の本をちゃんと読んだことはないけれど


僕は、女だけど主人公が男の子の小説も完成させたことはあまりないけど書いてた

男の子の気持ちがよくわからなくて、迷ってはいたけどね


どうして小説家になりたいと思ったのか

それは、小学生のときに自主学習でちょっとした物語を書いたことがきっかけだった

書くことが楽しくて、それが大きな夢へと広がったんだ


だけど、高校生のとき全くネタが思いつかなかったんだ

彼氏できれば、恋愛小説がきちんと書けるかもなんて思ってて同級生に告白されたから付き合ったんだ

初めての彼氏だったけど1ヶ月で別れちゃった



そのとき空想の世界に浸ってしまえば人生はどこか変わったのかな



その後の僕は、承認欲求に勝てなかったんだ

ネットの掲示板にLINE等のQRを貼り付けて男の人がどんどん追加される喜びに目覚めてしまった

追加されるだけだから会話したいわけでもないし、本当にヤバいやつに変わっちゃったなって感じる


それが高校卒業間近まで続いてた

なぜ、そこで終わったのか

そう、18になったからだ


専門学校のために地元を出て18になったことをいいことにあらゆるマッチングアプリを入れまくった

そんなに出会えたのかというとそうでもない

ただ、会う約束つけて僕がドタキャンするかいつのまにか連絡つかなくなったって感じかな


僕は、どこかモラルにかけてる部分があるからさ

それと並行で、夜のお店で働いてもいた

高校生の頃から働いてみたいって思ったから思い切ってやってみたんだ


もともと承認欲求が強いから求められるのが嬉しかったんだよね

向いてるってドライバーさんに言われてたし、そこまで嫌じゃなかった




---------------------------------------------------------------


でも、ある日人生が180度くらい変わっちゃったんだよね

ネットで知り合った人と何回もやりとり&週一会ってたらさ、その人がいいって思っちゃったんだ


その人は、素を見せれてもちろんそういう店でどういう名前で働いているか知ってる

そしてすぐにマッチングアプリやめたよね

某有名なマッチングアプリで出会ったけど全然気にしなかった


そして、知り合って2ヶ月くらいで付き合った

お店やめてって言われたけどそこで働くのが嫌だったらわけじゃないからやめなかったんだ


でもね、オプションにないつらいことされたんだ

本当に死ぬかと思った

本当は断れるし、お店の人呼べるんだけど呼ぶことができなかったんだ

奉仕の精神豊富だったからさ

それを泣きながらその人に伝えたらつらいならやめなって言われて辞めることにしたんだ


その後は、その人と一緒に生きたいって思って地元に帰らないで1人残って就職したの

生きる希望みたいな感じ



でもねあんなことあったのに夜の店に戻りたいっていうのはどこかにあったの

何度求人サイトやHP見たかわかんないくらいにね


新卒で入った会社がうまくいかなくてやめて、好きなカフェでアルバイトしながら転職先探してたの

もしかしたらそれなむしろプレッシャーだったかもしれない


その人から結婚するなら正社員に、親からも正社員のほうがいいって二重に言われてさ

途中からとりあえず受かりたいって思ったよね

お金かけて転職成功させるサイト申し込んだのにさ


本当はやめたくなかったんだけどさ

意志が弱いって生きづらいな


転職はできたんだけど、待ってたのはいい未来じゃなかった

ちょうどその頃その人と別れたしね


入ったのは今急成長してるベンチャー企業

住んでいる拠点ができたばかりで一から作り上げるの

上司はいい人なんだけどね


じゃあ何が良くないって

ある日突然、会社に行けなくなったんだ

一応、派遣会社で派遣先の会社の話ではあるんだけど

合わないんだって思った

今は、心療内科通って仕事行かずに過ごしてる

最近だと、悪化しちゃって救急車呼んじゃった

症状がパニック障害に似てるってさ

心療内科の先生じゃないけど言われたんだ

今はもうね、派遣会社の上司でさえ症状出てる


あんなに大きな夢描いてた時もあったのに今は精神ボロボロ

やりたいことを書き出したり周りに話したりしてなんとか生きてる


どこで間違えたのかわからない

怖くてあんまり外出れないし

実家に帰ったら、働かなくなりそうだから帰れないしね


中学生の頃から比べて変わり過ぎてしまった

あの純粋でピュアな自分はもういなくて汚れて精神ボロボロ生きる希望がいつなくなるかわからない状態



自分の意志って大事

自分の人生なのだから、自分の心身を大事に

もし、何か悩んでて自殺願望が出てきてしまった人は、どうか早まらないで

終わらせるのはまだ早い

もっと自分を労って、休んでからもう一度考えよう

自分の人生なのだから、今の環境から逃げよう







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

20歳の僕 宇田川ルキ @RUKI3939

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る