もうすぐ猫は絶滅するらしい
空花 星潔-そらはな せいけつ-
スペースキャット
猫は近々絶滅するらしい。
が、あまり世界はその事態を悲観していない。
と言うのも、数年前、猫に変わる新たな生き物が太陽系の外の星に発見された。
既にその生き物は猫として、続々と地球に運び込まれているのだ。
その生き物はにゃあと鳴くし、見た目も動きも性質も、そのまんま猫だ。
寿命が猫より7年くらい長いが、それ以外は完璧に猫なのだ。
ちゃんとアメショとかペルシャとかシャムとかスコティッシュとか、色々な種類にも対応している。
対応していない新たな猫はスペースキャットとされ、Twitterで話題になった。
更に、研究が進めば猫と子孫を残す事も可能だと、この前発表があった。
我が家も、近年入手が困難になった子猫のぽこたろーの
ぽこたろーとぺこさんは順調に仲良くなり、子孫を残す事が可能になったらすぐに元気な子猫を8匹産んだ。
そして季節は巡り、小学生だった私も就活をする歳になっていた。
今日も面接だ、なんて考えながら歩いていた私は、いつの間にか真っ暗な狭い場所に閉じ込められていた。
周りには老若男女、10人ほどの人が居て、1人が言うには巨大な宇宙人が人間をペットの代わりにするため攫いに来たらしい。
かなりの時間移動して、宇宙人の星に辿り着くと、私達はそれぞれ別の乗り物に載せられた。
宇宙人の優しい指や手のひらで撫でられたりされながら辿り着いた家には、人間そっくりな見た目の生き物が飼われていた。
ホモ・サピエンスではない。ネアンデルタール人に近い見た目をしているが、奇跡的に言語が同じだったので、私はすぐに彼と打ち解けた。
飼い主は優しいし、ご飯は美味しいし、好きなようにダラダラしているだけで可愛がってもらえるし、二度と地球に戻れない事を除けば、最高の場所に私は居る。
もうすぐ、彼と私の間に子供が産まれる。
楽しみだ。
もうすぐ猫は絶滅するらしい 空花 星潔-そらはな せいけつ- @soutomesizuku
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます