僕らのトライアングル

みん

僕と祐希と紗耶香

僕は佐藤。今、絶賛登校中の高校生。

「おはよう!佐藤君!」

幼馴染の紗耶香が微笑みながら駆け寄ってきた。紗耶香は町で噂になるほどの美人で、密かなファンクラブがあるほど。紗耶香と並んで歩きしばらく話しているとこちらに来る足音が聞こえてきた。

「ふわぁ…おはよ!佐藤」

こちらに来たのは眠そうな祐希だった。祐希は僕の友達だ。祐希は紗耶香が好きで紗耶香のファンクラブに入っている。紗耶香が僕の隣居ることに気がついた祐希は顔を真っ赤にし眠そうな態度を一変させて

「紗耶香さんッ!おはようごさいますッ!」

と一礼した。それに対し紗耶香は

「うふふっ♪おはよう。祐希君」

と優しく微笑んだ。それを見た祐希はまた顔が赤くなっていた。普通なら面白がっていたのかもしれない。だが僕は違う…そんな祐希を見て惹かれた。顔を真っ赤にする可愛いくて可愛いくて胸がぎゅっと引き締められた。連れて僕まで顔が赤くなった。そしたら紗耶香まで顔が赤くなって面白かった。三人で話をしているとあっという間に学校まで着いた。僕と祐希は同じクラスで紗耶香は隣のクラスだ。教室に着くなり祐希は勢いよく僕に話しかけた。

「今日の紗耶香さんすんげぇ可愛かった!」とか「紗耶香さん、俺に微笑んでくれたんだよ!これ脈あんのかな!」とか「紗耶香さん顔赤くしてたけどそれは俺の事好きだからってことでいいのか?」とか紗耶香の事ばっかりだった。紗耶香の話をする祐希は生き生きしていて可愛い。だけど何故だかモヤッとする。僕は複雑な気持ちを抱え祐希の話を聞き続けた。きっと僕の顔は暗くなっていたんだろう。祐希は少し寂しげな顔になって

「お前も紗耶香さんが好きなのか…?」

と問いかけた。僕はぎょっとなった。首を横に振ろうとしたが出来なかった。

「そうか…お前も紗耶香さん好きなのに…すまなかったな。あっ!ってことは俺らライバルだな!正々堂々戦おうぜ!」

なんて明るく祐希が言った。僕は『自分は紗耶香が好きなのではなくお前が好きなんだ』と言いたかったが何故か口が拒んだ。そして僕らは友達からライバルという関係になった。僕はライバルなんかじゃなくて恋人になりたいのに…そんな思いを抱え僕は授業を受けた。

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僕らのトライアングル みん @min1211

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