向日葵のような愛を、枯れることのない時を、天を仰いで笑って

SF恋愛ファンタジー。
失った愛を取り戻す物語である。 

非常によく考えて作られている。
作品の特徴としては、説明を省いた、もしくは不足した書き方で展開しているので、勢いをそのままに物語を進めることが出来、読者が抱いているイメージに触れて拡大させていく。
だから、ついつい引き込まれてしまう。

ノックを四回するところが良い。

こんなことができるのであれば、なぜ博士は知帆のロボットを作らなかったのだろうと考えてしまう。
彼女を愛していなかったのか。
いや、きっと、脳卒中で亡くなったため、できなかったのだと推測する。

オリジナルのシンシアを救えなかった哀しみは残っているし、人間に近づいても模造品は模造品である哀しみは変わらない。
でも、二人の愛だけは救えた。
だから夏になると、愛の象徴として、来年も向日葵が丘に咲くだろう。