第2話
そして私は説明を受けた。
ここが未完成の本の世界である事。
私たち以外の人物は自我を持たずただ毎日を繰り返しているだけだという事。
この物語を完成させないと出られない事。
そして私たち自我を持っている人間は何かしらの能力を有すること
「ざっとこんなものだろう、他に聞きたいことはあるか?」
「なぜ私なんですか?」
「それは、自分が何者なのか知りたくなったからだ」
そうだ、確かに私はあの時自分が何者なのか頭の中で考えた。
「仮説だが、もう書かれなくなった本や執筆の止まった本の最後のあがきだと俺は思っている」
「あがき?」
「キャラクターが勝手に動いたって表現・・・たまに耳にするだろ?俺らはそのキャラクターを動かす役割を与えられたんだ」
「まあ、難しく考えなくても何とかなりますよ今までもそうだったし」
「そうっすよ!とりあえず凛ちゃんの物語を完結まで持っていきましょう!」
「私の・・・物語?」
「そうだ、物語の中の人物が自我を得ることを俺たちは自我覚醒と呼んでいるんだが、この自我覚醒は物語に関わっている人物にしか起こらない」
「ちなみに多分ラブコメ小説ってとこまでは調べてるよ!」
「ラ、ラブコメですか」
「案外凛ちゃんがヒロインだったりしてね!」
「いえ、それは無いと思いますよ」
自我を得た今だから分かる、私の想い人である
唐変木は私のことは微塵も好きじゃないと。
「じゃあ、とりあえず主人公っぽい人と誰かがくっつけばこの物語は終わるはずだから主人公探しからだね!」
「わかりました、あてがあるのでとりあえず私のクラスの様子を見に行きましょう。」
「ちょっと待って!その前に私たちにも自己紹介させて!」
「そうっすね!俺らのことなんて呼べばいいか困りそうだし!」
「
「私は
「そして、俺が
「では、教室に向かいますか」
そして気づく
そういえばここはどこなんだ?
「あの、ここはどう言った場所なんですか?」
「どういったというと?」
「この部屋の役割はなんなんですか?」
「うーん、詳しくは分からないんだけどセーブポイントみたいな?」
「そうっすね、1日が終わって気がつくとこの部屋にいるって感じっすね」
「なるほど、ここは安全なんですね」
そう言って部屋を詳しく見る。
あるのは本棚が複数と机と椅子。質素な部屋だ
「ちなみにだが、この部屋がどこに繋がっているかはランダムだ。」
「え、いきなり職員室とか行くのは嫌ですよ」
「仕方ないだろう、今日の運試しとでも思え」
ふう。
息を整える。
そして私はドアノブに手をかけた。
「我思う故に我あり」 @Luck_E_Man
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