「我思う故に我あり」

@Luck_E_Man

第1話

プロローグ始まり。


これは少し前の話

その日はいつもと何かが違った

いつも通り学校に通い授業を受け帰宅するはずだった。

ふと、頭の中に声が響く。

あなたは誰?

そうだ、私は誰なんだろう。

その時、目の前に教室があることに気づいた

目の前には謎の教室。

頭の中で警告が鳴り響いていた「この先に進むと戻れなくなる」と。


何故その扉を開けたのか今となっては分からないが我はそこで初めて自我を得た。


目にしたのは部屋中に広がる紙だった。


そして吸い込まれるように1枚の頁を拾い上げ文字を見た


「我思う故に我あり」


その文字を見た瞬間、自我に目覚めた。


プロローグ終わり。


そして今、私は監禁されていた。

目の前には読書クラブと名乗る謎の集団がおり私の腕には手錠が掛けられている。右から男、男、女の3人だ


「君、あの部屋に入ったでしょ」


左から女が話しかけてくる。

あの部屋とは恐らく紙が散らばっていた謎の部屋のことだろう。

嘘をつくべきか正直に話すべきか。


「考えてるってことはコイツは確実に入ってますね」


真ん中の男が喋る。そしてあの部屋に入ったことは早々にバレているようだ。


「そうだね、そもそも私たちに捕まえられてる時点で何かしらの関係はあるね」


そして1番右の男が唐突に呟いた。


「我思う故に我あり」


おもわず男の方を向く。


「反応あり、当たりだねー」


「まあ、そうっすよね」


「さっさとこうすれば良かったものを」


もう言い逃れは出来ない様だそもそも逃れたところでどうするのだという話だが。


「じゃあ、手錠外してあげるねー」


女が近づいて私の後ろに回り手錠を外した。

私は手錠のつけられていた手首をさすり無事を確認する。


「よし!早速新メンバー加入のパーティーをしようじゃないか!」


「いぇーい!久しぶりっすね!」


「全くはしゃぎすぎだ」


ちょっと待て、何もよしじゃないが。結局どういうことだ。


「まあまあ、諸々のことは加入パーティをしながら説明するよ。」


「そういう事だ、さっさと手伝え」


誠に不服だが従うしかないだろう。言われるがままに丸机を1つと椅子4つを準備した。


「ようし!新入部員の君には美味しいクッキーをあげよう!」


「俺もクッキー食べたいっす!」


「早く席に着け、説明の時間だ。」


椅子に座る。堅物そうな眼鏡をかけた男。左には黒髪のいかにも清楚といったふうな女。そして右にはおちゃらけている元気そうな男。

机の真ん中にはクッキーが置かれていた。


「さて、説明に入る前に聞かねばならんことがある」


正面の堅物そうな男が話しかけてくる。その圧力に私は身構える。


「名前を教えろ」


圧迫面接でも始まったのだろうか、いや受けたことは無いのだが。

それほどの圧迫感をかけておきながらただ、名前を聞くだけとは、拍子抜けにも程がある。


「あんまり身構えなくてもいいよ、私たちは味方だから」


「やっぱ部長の顔が怖いんですって!」


「知らん、勝手に怖がっているだけだろう」


・・・思ったより怖い人達ではないようだ。少し安堵した私は名前を口に出した。


「私は御伽おとぎ りん16歳です」


ここから奇妙で不思議でそして切なくもある物語が始まった。

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