EARTHHAZARD第1部出会い篇

流夢

初回、「はじめまして」

プロローグ

2026年、アメリカイギリスを中心に俗に言うゾンビが発生、最初は感染規模が小さく警察にによる処理だったが気づけば警察から一般市民、更には政府閣僚までも感染が広がり瞬く間に世界に広まった。ゾンビウイルスの感染は日本でも広がり、日本総人口の3分の2が感染し残りはシェルターを作り地下に逃げ延びた。これは"運悪く"シェルターに入り損ねた少女達の新たな出会いの物語である。

───────

初回、「はじめまして」

倒壊したビルの壁を蹴り、引っ掛けていたロープに掴まり地上に降りる。相変わらず何も無い、人類が地上から姿を消しゾンビが地上を占拠してからもう4年。私はこの日本で1人サバイバルをして生きている。ワクチンの効果、なのかはわからないが1度たりともゾンビ化の兆しが私は出ない。

「ここも弾薬ないか〜」

日本国内どこでも当たり前な事をつぶやく。日本は銃の所持が禁止されているが私はサバイバルが始まってから父のコレクションから数丁ライフルやハンドガンを持ち出してゾンビに対処している。父が元々アメリカ軍で一時期働いていたのもあってか銃に関しては改造をよくやる。今所持しているのもAK-47とグロックだが日本の警察はリボルバーぐらいしか使わないためリボルバー用のマグナム弾を装填するための改造を施し数少ない純正弾薬の節約を行っている。

「あ〜、髪切っとけば良かったかなー」

帽子を被り直し髪を結ぶ。季節は夏、地下では何があっているだろうか、夏祭りか、それとも盆前か。そんなこと今はどうでもいい、拠点に帰ろう。なんの収穫もないなら拠点に帰り旅の準備をして北海道を目指し再び移動する。今は九州、福岡から鹿児島を周りまた福岡に戻ってきた。大刀洗を出発して4年もの間九州にいたのか。

「よしっ、新天地目指して頑張んないと!!」

1人とわかっていても誰かに向けて言ってるようになる。1人は寂しいが出会いという概念がない地上ではこの独り言が大事になる、メンタルケアは独り言だ。そんなことを考えながら拠点を目指し歩き出す。草木が侵食し倒壊したビル郡を歩く。時折現れるゾンビを撃ち倒す。これを続けて4年、生存者の可能性などを諦め生活してきたが今地上で生きている人などそもそもいるのだろうか、そんなことを思いながら拠点に帰る。しかしゾンビが珍しく少ない。何故だろうと考えていると突如轟音と共にどデカい振動に襲われた。

「なに?!ビルの倒壊?!この辺りのはまだ倒れるには早いんだけど、、、」

驚きながらも振動のした方に向かう、少しづつ増えるゾンビを倒しながらビルを登り、時計を見る。

「17時38分、あと2分あればつくから生存者がいれば連れ帰っても18時39分、1時間あれば行けるね」

夕焼けが輝く中私は振動の中心目指しビルを降りかけ出す。

────

倒壊したビルはともかく、周りのゾンビの量が尋常じゃない。幸いゲームみたいに倒すのが面倒ではないためワンパンするために首を狙い剣で斬りつける。

「なんでこんなに?ここら辺は感染拡大時にもう地下シェルターに避難していたはず、、、」

疑問を投げ、探索を始める。大量のゾンビを避け、ビルの周りを探ると1台のトラックを見つけた。ゾンビ達がトラックに群がっている。トラックに何があるか見るため双眼鏡を覗く。運転席に何か見える。あれば、、、人?

「人?なんで?てかいぞがなきゃマズイ!!」

咄嗟に双眼鏡をバックに押し込み走り出す。

トラックに近づき一体ゾンビを蹴り倒しトラックの屋根に上る、"いつもの"だ。

ライフルから放たれる弾がゾンビを撃ち抜き倒していく。しばらくしてゾンビの量が落ち着き出したタイミングでトラックにいた人を引っ張り出し安全な場所に走る。

「君!!あんなとこで何やってたの?!」

私は走りながら手を引き問いかける。

「.........」

今気づいたがトラックにいたのは中3くらいの男の子だった。

「まぁいいや、とりあえず拠点に帰ったら話聞かせて?はじめましてだけど」

彼は黙って着いてくる。とりあえず拠点までの辛抱だ。

──────

崩壊した都市の真ん中で夜空に向けて煙が上がっていく。

「それで、、、」

焚き火に枝を投げ込み瓦礫からとったでかめの岩?に座る。

「な〜んであんなとこいたの?」

最初の質問を再びする。助けたはいいが彼の目的等が分からなければ連れていこうにも連れて行けない。

「そのジャージ、シェルターで配布された市民服でしょ?」

少年はこくりと頷く。

さっきから無言の口を開き倒壊したビル群にいた経緯を話し出した。

「俺が外に出たのは3年前、鹿児島の南九州市のシェルターに入って2ヶ月くらいの時だった。」

淡々と話す口調は中3とは思えない表現できないようなものを含み耳に入る。

「友達を探して1部の人達と護衛隊と外に出た。友達は無事にシェルターに入ったみたいだけど、、、」

肩を落とし少し俯く。

「俺だけ入り損ねたんだ、シェルターの扉が閉まったあとすぐに入口前についたけど入れるわけないから結局サバイバル生活。長崎辺りで物資が漁られた跡を見つけてそれを追ってここまで。」

微笑した少年は頭を掻きため息をつく。

「なるほど、じゃぁ途中から私の近くにいたんだね。」

「うん」

少年は安心したように私を見つめる。

「そう言えば君名前は?聞いてなかったけど」

今更思い出し質問する。

「隆原悠櫟、名前の由来云々は全く知らない。君は?」

悠櫟に聞き返される。

「私は、、、」

一瞬迷い名を告げる。

「私は零、なにかの始まりになって欲しいって意味らしい。」

お互い自己紹介を終える、合わせるつもりはなかったがお互い「はじめましてだね」とハモってしまった。

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EARTHHAZARD第1部出会い篇 流夢 @ryumusy1025

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