九月十二日 第十二日
「どっどど どどうど どどうど どどう
青いくるみも、
すっぱいかりんも吹きとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう
どっどど どどうど どどうど どどう」
びっくりして
馬屋のうしろの方で何か戸がばたっと
すると
「ああひで風だ。今日はたばこも
「一郎、いまお
お母さんは馬にやる〔一字空白〕を
「うん。又三郎は
「又三郎って何だてや。鳥こだてが。」
「うん又三郎って
まもなく嘉助は小さい
するともう
「先生お早うございます。」一郎が云いました。
「先生お早うございます。」嘉助も云いましたが、すぐ、
「先生、又三郎今日来るのすか。」とききました。先生はちょっと考えて、
「又三郎って高田さんですか。ええ、高田さんは
「
「ここのモリブデンの
「そうだなぃな。やっぱりあいづは風の又三郎だったな。」
嘉助が高く
二人はしばらくだまったまま
風はまだやまず、窓がらすは雨つぶのために
風の又三郎/宮沢賢治 カクヨム近代文学館 @Kotenbu_official
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