夢と現実が入り混じり、青春が色づいていく

夢で出会ったミステリアスな先輩と現実で再開して――といったところから物語は始まります。
藍色の青春を透明な青春で薄める――この表現だけで心を鷲掴みにされてしまった訳ですが、物語が進むにつれて明らかになっていく先輩の秘密に、続きが気になって仕方ありません。
ミステリアスな背景が明らかになっていく度に、加速度的に魅力を増していく深瀬先輩のヒロイン力、そして練り上げられたストーリーラインの凄みを感じました。

脇を固めるキャラクターたちも個性豊かで、掛け合いの巧みさや所々で光るワードセンスが私のツボを的確に穿ってきて、高頻度で悶えています。

主人公とヒロインによる、瑞々しくて切ない青春模様。
是非とも一読して頂きたい作品です。