とある島にまつわるさまざまな資料や記録

 とある島に関係する、いくつかの資料や記録を集めたお話。

 現代もののホラーでです。
 いわゆる小説的な文章そのままの形式ではなく、ある種のモキュメンタリー的な手法をとっているところが特徴的なお話。

 女児の日記やスケッチブックであったり、お料理番組の動画であったりの記録物。
 それぞれの資料は互いに関連があったりなかったりするのですけれど、いずれも特定の島にまつわる内容のものです。

 こういうの、もうそれだけでワクワクしちゃうので大好き。
 というかもう章題の一覧を見ただけでワクワクしました。

 特定の語り手がいるわけではないので、はっきりした正体のわからない部分が多いのですけれど、しかしそこかしこに不安な要素がちらほら見えており、いやがうえにも煽られる独特の恐怖感があります。

 先に進めば進むほど増してゆく「あれっ、もしかしてこれって、思ったよりヤバいやつ……?」感が楽しいお話でした。