再訪

目を覚ますとそこは、暖かく爽やかな海の見える砂浜だった。どこかから甘い匂いが流れてくる。潮騒の音は耳に心地よく、私の心を穏やかにならした。

ここは、と掠れた声が喉から漏れる。

青い空は雲一つなく。どこかのリゾート地みたいだ、という感想と共に、自分はこんなところに来る予定ではなかった、と思考がよぎった。


「ここは……どこだ……?」


服が濡れ、髪が日差しに煽られて乾き、パリパリになっている。つまり先ほどまでどっぷりと海水に浸かっていたと言う訳だ。では何故、と自分に題し、答えが思い浮かばない。

いや、答えどころか、自分の身分や名前すら、思い浮かぶことはなかった。


「私は……誰だ……?」

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トロピカル因習アイランドの事件簿 @hayamannbo

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