先輩からの手紙を頼りに、その故郷である南の孤島を訪れた『ぼく』のお話。
変わった風習の残る離島を舞台にした、現代ものの掌編です。
とても真面目な愛のお話。
淡々と綴られる文章の向こうから、徐々に垣間見えてくる深く激しい情愛がもう……ほんと好き……。
タイトルにもある「死喰らい」が好きです。
文字通り「死を食べる」風習のある島。
単純に「死者を食べる」という意味ではなかったりあったりするのですけれど、その様々な意味が綺麗に結びつき折り重なって、最後の幕引きへと繋がるその流れがとにかく最高でした。
こういう胸の真ん中に突き刺さってくる分厚い物語、本当に大好き。
詳しく説明しちゃうのはあまりにもったいないので、ぜひ本編で体験してみてください。
短くサクッと読めるのにしっかり読み応えのある、とても素敵な作品でした。