第2話少女の日常
「ああ、早く家に帰りたい。テストの点が悪いからって呼び出さなくてもいいのに。」
廊下のど真ん中などと悪態をついてる。どうせ人なんていないと油断してのことだ。急足で教室に戻る。
(この時間なら押し付けられた掃除も終わってるし、サボれたからさっさと帰るか)
教室のドアを開けると少年が独りで掃除をしていた。
「あら、掃除当番1人しかいないの?」
一緒で猫を被る。
「あ、うん。みんなサボったみたい。」
彼は、
「水無月さんはどうしてここに?掃除当番じゃないでしょ。」
「押し付けられたのよ。やらないつもりだったけどあなた1人だったから。」
「そうなんだありがとう。」
ありがとうなんて久しぶりに聞いた。なんだかわからないけど窓の方に顔を向ける。冬だからか外はだんだん暗くなってきていた。
ふと、昔の母の言葉を思い出した。
「……あなたは自分がなんでここにいるのか考えたことはある?」
「え?」
口に出ていた。自分でもビックリして必死に無かったことにしようとする。掃除も終わりすぐに教室を出た。
わたしは、地域で有名なお化け屋敷に住んで
いた。別に本当にお化けが出るわけではない。似たものは出るけど。門をくぐり荒れた庭を抜けて家に入ると、見慣れた人が待っていた。
「ただいま。」
そこには身長180センチぐらいのスタイルのいいメイドが立っている。名前はクウコ。
「おかえりなさいませ。本日は随分と遅かっだですね、お嬢様。」
「人助けしてたからね。」
「そんなわけないじゃ無いですか。どこで道草食っていたか知りませんがあまり遅くならないでくださいね。」
「話聞いてた?人助けしてたんだよ。本当に!」
「あら、珍しい。」
「とにかくわたしに対してどういう印象を持ってるかだけはわかったわ。」
「まー、お嬢様は他の人とは違いますから。なんたって魔女の末裔ですから。」
「まー、魔術広めたのがうちのご先祖様だからねー。それより、夕食は何?」
「パスタです。」
「前から思ってたがど、あなた料理バリエーション少ないよねー。」
夕食も食べ終わり、外に出る準備をする。クウコもついて来させる。
これから魔女としての仕事に向かう。最近頻繁に起こっている事件を解決するというのが今回の仕事。そのために罠を張っていた公園へ行く。
公園へ着くと餌である人の山が見えた。魔術で探知してみる。
「餌のところに1人、と向かいの木の影に1人いるな。」
クウコが何も言わずに向かいの人へと向かう。
すると餌のところのが向かい側走る。クウコを追っている!?いや、向かい側の人影を追ってるのか。速いな。やはり人じゃないか。
(クウコ、そのまま追って。わたしが回って挟み撃ちにする。)
(了解)
すると、一瞬で化け物の上へ出る。そして、魔術で拘束する。そこを、クウコが首を落とす。
一息つく。すると
ドサッ
後ろで音がした。
「あれ?もう1人はこの子か。何でいるのよ」
「どうしますか?放置します?」
「えー、流石に危ないよ。」
それにと、じっと見つめる。
「この子面白いから連れて帰ろう。」
魔女事変 発芽めい @htukanim
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