このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(111文字)
もしかしたら、東山線藤が丘方面行きは、万博などでかつて乗ったことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。高校生の甘酸っぱくて、まだ名前が付けられないくらい淡い恋のお話です。涙の跡が残っているんじゃないか。そんなところから始まって、2人のスマホでのやり取りが続いていくのですが。地下鉄の暗さ。停車していく駅。東山線藤が丘方面行きの特徴である、途中から高架へ上がった瞬間の景色。それらが物語の進行とリンクして、彩っていきます。まさに、ご当地ならではの物語です。
青春ってそう、こういう甘酸っぱさだよなあ!! とラストに心でスタンディングオベーションしてしまったぐらい、序盤からラストまでの流れが最高でした。 読んでるこっちがドキドキひやひや、返事が来るまでの顔の皮膚が突っ張るような緊張感まで伝わって来て。そんな経験したことないのに、経験したことがあるような錯覚さえ覚えました。 現役青春真っただ中の人にも刺さると思うし、青春という言葉自体が遠くなりにけりの年代にも刺さる気がします。 爽やかで読後感も最高。ぜひ読んで欲しい!
そんな記憶はないのに、なぜか懐かしく感じます。初々しい若者の恋を覗いてみてはいかがでしょうか?