第2話

横山(…暇だァ)


この学校に来て早くも半年


進みすぎだって?

仕方ないだろ何も変わったことないんだから


それより丸山、あいつ初対面の1回だけで

俺に1回も話しかけてこない


なんだったんだアイツ


横山「…昼買いに行こ」


お昼休みのチャイムがなり皆が外に行ったり

机をくっつけてお弁当を食べたりしている


俺は…まぁ群れるの嫌いだからな、

1人の方が好きだし


…自分で言ってて虚しいなこれ


階段を降りる途中

見覚えのあるくせっ毛の男


横山「あいつ…丸山?」


急いで走っていくその様子をみて

何故か分からないけど

本当に分からなかったんだあの時は


ーなぜかついて行ってみた

今思えば虫の知らせ?って言うのかな

そんなことわざ合ったよな


丸山が走っていった方向は

俺たちが初めてあった場所


丸山『…』


横山「…はぁ、はぁ(こいつ足速すぎ…)」


丸山『ぅ…』


横山「…?」少し隠れて様子を見る


周りには誰もいない

静かで、風の音しか聞こえない


横山(また猫に餌でもやってんのか?)

でもそれは違うとわかったのは


丸山『…ぁ…っ…く…すり…』


丸山が口から


血を吐いていたからだった


横山「丸山!?!」『!?』


驚きより先に体がとび出た

俺を見てタレ目な目を最大限にでかくして

こっちを見ている


丸山『よ…ゃ…く…』


横山「大丈夫か!?どうした!?」


丸山『ぁ…ゴホッ!!!!かっ…!!』

口から血が止まらない

目からは涙も出ていて

顔は真っ赤になっている


素人の俺でもやばいことくらい分かる

ブレザーを脱ぎ丸山の顔に当て下を向かせる


丸山『ヒュ…ーヒュー…ーーヒュ…ーーー』


過呼吸気味になってる…!?

やばい、やばいやばいやばい

どうしよう、どうしたらいいんだよ


俺の焦りに気づいたのか丸山は


自分の方が辛いはずなのに


丸山『よ…ゃ…まくん…

ぁ…ヒュ…ーーゴホッ...と…』


そう言ってタレ目な笑顔を俺を見た


横山(何してんだ俺は)

「誰か!!!!!!誰か!!!!」


丸山の笑顔を見た瞬間

冷静さを取り戻した俺は大声で叫んだ


その声に反応した誰かが先生を呼んでくれ

丸山は先生たちに

運ばれてどこかへ行ってしまった


ブレザーがない俺は少し寒さを感じながら

今更になって体の震えが止まらなくなった


横山「…はっ…はぁ…!はぁ…ぁ…はぁ…」


先生「大丈夫かい?」


横山「…ぁ…あいつ…は?

あいつは大丈夫…なんで…すか?」


先生「…大丈夫だよきっと」


あぁ、今ならお前の言ってたこと分かるよ

嘘ついた時の顔って

分かりやすいもんなんだな


横山「…そう…ですか…」


先生「血が着いてるよ

1度保健室に行きなさい」


横山「はい」


これは俺の血じゃねえよ

…ギリギリと何故か奥歯を噛み締め

俺は何も出来なかったんだと

悔しさが募っていた


何も関わりがないのに

あの初対面の1回だけの関係なのに


横山「…ふっ…」


人が血を吐くところを初めて見た

多分怖かったんだと思う


誰にも見つからないように保健室にいき

急いで顔を洗った

泣いたあとが見つからないように


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横山「俺ももう25歳になったよ 優斗

あの時俺めっちゃ焦ったんだぜ?

お前が急に血なんか吐くからさぁ」


ー横山「日記、書いてるよちゃんと

約束、守るからな、…またな」


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