芸術と科学の論争をギュッと纏めたかのような

広く浅く小説と科学を齧ったと思っていた者からの感想です。
興味深い内容……だなんて浅い言葉は相応しくありません。
私はこの小説的論考を意欲的な作品として下から目線で評価します。
こと世界において科学と芸術が起こしてきた論争をギュッと捻って纏めたかのような内容に私はただただ唸るしかありませんでした。
こんな小説があっていいのか!?
とさえ思ったほどです。
いっそ冒涜的とまで言えそうな(否定ではなく)ハニワさんの思想は、しかして、正しくあるものと思えます。何故、冒涜的、だなんて言葉を使ったのかと言うならば、私もまた永遠の命を前に芸術と孤独を天秤にかける側の人間であるであろうからです。
世界にとって芸術は必要なものであり科学によって人の手から失われるべきものではないと信じてやまない卑しい人間だからです。
それでも、と「価値」に縋ります。
だけど、そんな人間にもすんなり入ってくるハニワさんの言論は、その卑しさを暴露し、ポルノと芸術の境を明らかにしてしまうのかもしれません。
以上で私の拙い感想の発信を終わります。