ただ美しいと思いました。描写に限らずストーリー、登場人物のセリフ。作品を構成する全てを美しいと感じました。主人公は最後、何を思ってあのようなセリフを口にしたんでしょうか。それを考える余地が与えられているのも、この作品の美点だと思います。素敵な作品です。ぜひ読んでほしいです。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(190文字)
中学三年生のとき、赴任してきた早苗先生には、良くない噂があった……。ヒロイン「私」と「早苗先生」の絆の物語です。思春期らしい不安や焦り、先生への不信と信頼、次第に通い合っていく心が、丁寧で優しい言葉たちによって紡がれていきます。早苗先生の繊細さや、「私」の早苗先生への思慕、敗れていく夢。それらが、美しく描き出されています。大変美しい百合文芸でした。