第2話 似たもん同士
「いやぁ、これはまたなんとも。」
クラスのメンツを見るなり、苦笑いをする拓海。
まあ、分からなくもない。
どいつもこいつも中学の時に見たことあるようなそんなヤツばっかで。
「翔真、あいつ。」
拓海が顎で指す先には、俺らみたいな奴らの中ではそこそこ有名な奴がいて、思わずため息が漏れる。
「席つけー。」
入学式で担任だと紹介された先生が入ってきて、だるそうに俺らを見る。
この高校出身だという、割と若めのチャラそうな奴。
「まあ、ここに来るような奴なんて世の中腐ってるって思ってんだろうけど、それは間違ってねぇよ。」
入学早々。
最初の話で先生がそんなの言っていいのかよとか思って割と衝撃だった。
「勉強とかしたいやつがすればいいし、ここはそんな必死にしなくても卒業はできる。
勉強面では特に、それ以外でも期待されてないやつが大半だろどうせ。
ただまあ、俺は割とお前らみたいな奴、期待してるけどな。
まあ何か見つけられたら勝ちじゃねぇの?」
高校生活初日に聞いたこの言葉は何故か鮮明に記憶に残る事になる。
まあこの時は、何かってなんだよとか、期待とかそういうの重いんだよとか、やっぱりひねくれてたんだよな。
強くなりたい bell @ryoo0722s
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