第2話2/2

私達はそれらを着た。

見た目通り重たい。


「うぅ、重たい……」


「しょうがないじゃない、予定値を大きく超してたんだから。」


「そうだな……」


役50kgを超えるスーツを着ていては、1歩1歩動く度に転けそうになる。

しかも、視界も遮られ、ほぼ前しか見えなくなる。

でも、RIEIBを防げるのはこのスーツと、箱型移動機だけだ。


「とりあえず、早く修理して一旦変えるよ。」


「了解!」


さすがに、筋トレだけでもしとけばよかった。

もっと、あちこちに歩き回ってさえいれば……

ちらっ、と古奈を見る。

かなり余裕そうだ。

そういえば、古奈は国の奴らに散々連れ回されてたよな。

だからなのか、少なくとも私よりは早く進んでいく。


「まっ、待って!」


古奈は声に気がつくとくるっとこっちを向いた。

まるで、このスーツを着慣れているかのように片足で。


「運動してなかったな?」


「……」


反論できない。

研究室に閉じこもってずっと薬品を弄りまわしてただけだ。。

古奈はこっちへ寄ってきて肩を貸してくれた。


「重くないの?」


「ぜんぜん」


あちこち歩き回っているからだとしてもこれは異常だな……

さすがに元気すぎる。

箱の後ろ側に回って、配線盤の蓋を押し開ける。

適当に詰め込まれたコードを掻き出し、基盤を露わにする。

基盤は、あちこちが焼けている。


「これ……」


「何かあった?」


「これ、持ってて」


エリカに配線の束を押し付ける。

そこから出てきたのは手紙の様なもの。

それも、聖宛じゃない。


「誰のだこれは...」

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今あの時を らと @hitorino96

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