第2話1/2

「あれ?」


光のない所にいた。

隣には何かが居る。

辺りを触って気がつく。

私達が乗っていたものだ。

じゃぁ、隣に居るのは古奈?

声をかけてみる。


「うーん。」


古奈の声だ。

次に、照明のスイッチを探す。

あった。


『パチッ』


目の前が真っ白になる。

思わず目をつぶったが、ゆっくり目を開ける。

そして気がつく。

服が血で汚れていることに。

私は昔から血がダメだった。

吐きそうになって扉を押し上げようとして、古奈に停められた。


「ダメだ、外に出るな。」


私は口を押さえているので声を出せない。


「ん〜っ!」


と吐き気を訴えると、古奈は茶色い紙袋を用意してくれた。


「オェェェェェ」


次の瞬間には吐いてしまっていた。

あと少し紙袋が遅れていたら、シートが吐瀉物で染まっていただろう。


「ありがとう」


ちょっと情けない声だったがする。

でもそんなことはどうでもいい。

ここには、古奈しか居ないのだから。

その他に私の話を聞くものは絶対にいないのだから。

そして、聞きたかったことを聞く。


「なんで外に出ては行けないの?」


少し、わざとっぽかったかな。


「それは、RIEIB(Residual Irradiation Energy In the Body)に晒されていたからだよ。」


間違ってなかった。

でも、ちょっと予想外だったかな。


「では、あれでも出しましょうか」


「あれって?」


本当は着なくても済んだものなのに……

仕方がない。


「ちょっと手伝ってくれる?シート上げるから。」


「シートを上げる?ちょっと待ってどうして?」


「いいから手伝って。」


古奈は渋々承諾した。

シートを上に押し上げると。

下から、旧式宇宙服のような見た目のものがでてきた。


「これは……旧式宇宙服?」


「いや、違うわ。新型犠牲装甲よ。」

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