第16話 何を斬ったら
アンデッドの軍勢が街になだれ込む。
レイスと火事の騒ぎで門が閉められなかったらしい。
俺は転移して最前線に出た。
「斬」
アンデッドは消滅した。
だが後続は次々に来る。
もっと力を込めれば良いのは分かっている。
でもそれをすると街が壊れるし、避難中の人にも被害が出る。
「街の中のアンデッドは冒険者に任せて」
プリシラとビュティーヌが冒険者の一団を引き連れて戻ってきた。
「分かった。俺は親玉を討つ。斬」
目の前のアンデッドを消し飛ばし、転移して門から出た。
街の中の事は考えない事にする。
俺は目の前の敵をやるだけだ。
「斬」
アンデッドの大群が真っ二つになり、道が出来た。
出来た道を転移で駆け抜ける。
古戦場に出た。
「回転斬り」
古戦場は、浄化された。
これで今回の騒動も収まるだろう。
「待ちなさい」
パピヨラがダサックを追いかけている。
ダサックはあの騒動で死ななかったのか。
懐に沢山物を詰めているのに凄い早さだ。
本当にしぶとい奴だな。
「斬」
ダサックの行く手に谷を作った。
「観念しなさい。あなたの悪行は領主様にも報告済みよ」
「私が悪いんじゃない。全てはクラフトのせいなんだ。呪われた剣を捨てるのを最初にやったのはあいつだ。私は悪くない」
転移でダサックのそばに飛んだ。
「俺が何だって。言っておくが、俺は呪われた剣を捨てた事はないぞ」
「嘘だ。じゃあなんで倉庫からなかった」
「合成したんだよ。そしたら神剣になった」
「嘘だ」
その時、ダサックの影から黒い人が現れてダサックを飲み込んだ。
「があああ、私は死なんぞ。死んでたまるか」
ダサックが怨念に侵されていく。
みるも
「やっと目的を果たせたよ」
「お前はシャドウ。これは上位種ね。シャドウキングかしら。そして肉塊はヘドロスライム」
「正解」
「おのれ、クラフトー」
肉塊でも声が出せるらしい。
「気をつけて上位種かも」
「斬」
「何で私が滅びねばならんのだ……。うぼぉ。滅びんぞ」
あー、ダサックは怨念の塊になったのだな。
「斬」
怨念を斬ってみたが、駄目なようだ。
「怨念を吸い込んでいるのよ」
「そうか」
神剣を鞘から抜いた。
そしてそれをダサックに押し付けた。
「おのれ……」
今度こそ、真剣の神気で滅んだようだ。
残るはシャドウキングだけだ。
「斬」
「残念、影は斬ってもすぐに繋がる」
「はたしてそうかな。斬」
俺はシャドウキングの存在そのものを斬った。
どうやら斬れたらしい。
「何故だ。思い出したぞ。お前はクラフト。ビュティーヌを返せ」
「もう生き返るなよ。斬」
「あー……」
「ケリがついたな」
「これから、どうする、つもり」
「剣を渡す旅に出るつもりだ」
「おいていこうとしたって、そうはいかないわ」
「そうね」
プリシラとビュティーヌがそこにはいた。
「どうやってここまで来たんだ?」
「分からないわ。分かっているのは神様は見ているって事よ」
「たぶんですけど、空間を斬りまくった余波のせいではないかと」
転移事故みたいなものか。
これからは空間を斬るのも控えよう。
「じゃあ行くか」
「がってんだ」
「お供します」
「じゃあ私も」
「しっしっ」
プリシラがパピヨラを厄介払いしようとした。
「助けて♡」
そう言ってパピヨラが俺の陰に隠れる。
「この泥棒猫が斬ってやる。斬」
プリシラが俺の真似をする。
お前の持っている名剣じゃ絆は斬れないぞ。
「じゃあ、私も」
ビュティーヌが俺に抱きついた。
「くっ、ここにも雌猫が」
「にゃおん」
パピヨラが猫の真似をする。
「からかいやがって。許せない。クラフト、あんたの剣を貸しなさいよ。悪縁をぶった切ってやるわ」
「怖いですね」
「きゃっ、クラフト様助けて♡」
二人が俺に抱きつく。
歯ぎしりするプリシラ。
「斬」
俺は転移した。
「あーん、待ってぇ」
「どこまでもお供します」
「駆けっこなら負けない」
先が
思いやられるな。
この場合、何を斬ったら良いのだろう。
誰か教えてくれ。
――――――――――――――――――――――――
すいません。
打ち切りエンドです。
続けても良かったのですが。
どうも人気が出なかった。
それが全てです。
究極神剣の鍛冶師~呪ろわれた剣を合成しまくったら、神剣が出来てしまいました。神剣+32767は最強です。一振りで海が裂け、山が割れます~ 喰寝丸太 @455834
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