第2話
バス停を目の前にしていきなり真っ暗な闇に吸い込まれたような不思議な感覚がした。
"バタっ"
目覚めると見たことのない天井、自分の体にはたくさんの管、コード、バタバタと走り回るような足音が響き渡っていた。
一瞬自分が誰だかわからなくなるような感覚がした。倒れたんだ、私。だが、こんなものとっくの昔に慣れている。
幼い頃から体が弱く、月に1度通院をしている。きっとそのせいだろう。スマホ、スマホどこだろう、周りを見渡す。
『中野さん、起きましたか?大きな異常はなかったです。貧血だと思われます。点滴を打ってるので終わったら書類手続き、会計しましょうね』
一気にたくさんの情報を目覚めたばかりの患者に伝えていることからどれだけ救急センターが忙しいかがわかる。
横のデスクにスマホが置かれているのを見つけ手に取る。
『なにこれ』
ロック画面には私と学年ミスターの優叶くんが仲良く写っている2ショット。
身に覚えのない写真や、日付のようなパスワード。全てがわからない。
『なにこれ、』
そういうしかできない。
記憶を辿って @bsy143
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