夏の異変編

「試験結果は最悪だよ」

「あちぃ」

異能護符の事件からしばらく経ち季節は夏を迎えそうになっていた日本で学生である凡人は自室の机にいくつもの参考書を広げながら嘆いていた

「なんで定期試験があるんだ?」

学生である凡人は定期試験という地獄の行事があるのだ、この結果によっては長期休みが半分もつぶれるのでどうしてもクリアしないといけないのだが、凡人は頭の出来があまりよくないのでこの期間はどうしてもだるくなってしまうのだ、しかも

「私がついているのになんだその体たらくは?」

凡人の家には真夏らしい恰好をした、経営者が来ていた

「全く、君の為の勉強会という事を忘れては困るよ?」

経営者が来ている理由は彼女あてに今朝電話が来たからである曰く、「今回の小テストの点数がいまいちだ、これだと長期の休みでは補修で大変な目にあうぞ」と言うので経営者は直ぐに凡人の家に行き急遽勉強会になったのである。

「にしても、君のご両親は何も言わないのかい?」

「え、隠してるけど?」

「もしもし?暗殺者か?凡人が鍛えて欲しいらしい」

「すいません!直ぐに勉強します」

経営者に手伝ってもらいながらも、凡人はテストの範囲を何とか理解できるという所まで来たのだが、集中力が元々足りてないのか結局亀のようなスピードで進んだのだった

「うん、とりあえずはいいかな?」

「おわりか?(机にたおれている)」

「ああ、学校の方は」

「?」

「処刑機関のテスト・・・忘れてない」

凡人は逃げた、直ぐになんの準備もせずに窓から

「・・・ああ、私だ!直ぐに傀儡を頼む」


「反則だろおおおおおおお」

「すぐに逃げるのが悪いのよ」

窓から逃げた凡人はすぐに、自由人の傀儡につかまった。それでもあきらめずに傀儡を相手にしていたら

「あんた、日本語のテスト以外は捨ててるでしょ」

という暗殺者と傀儡の言葉で捕まったのであった、そして彼の部屋では経営者と傀儡(異能護符編で出てきた、夢幻世界での傀儡)に止められていたので諦めて処刑機関のテストにも挑んだ

「じゃあ、傀儡が問題を出すよ」

「え、やだ・・・やらせていただきます」

「第一問!ででん」

「自分で言うのか?」

「処刑機関には13人の役という物があるが、その下のメンバーの事をなんというでしょうか?正式名称でお願いします」

「・・・下請人」

瞬間に凡人の頭にハリセンがぶつけられた、凡人が間違えるたびに攻撃を受けさせるが、ただの拷問では?因みに「下請人」は支配人の配下であり、支配人の代わりに世界政府への窓口を行ったり経営者と共に資産を回したりという事をしている

「分からん」

「経営者、答えを教えてあげて」

「はぁ、正解は特殊公務征伐委員会だ、基本的に役全体の仕事の援助と言われれるが、役が出る幕ではない戦いや公務を代わりに行う者達だ」

特殊公務征伐委員会、処刑機関の13人の役である者達の下であるが、実際には役の命令ではなく機関全体の命令で動くことが決められている者達である。凡人や経営者にも当てられている人数があるが、二人とも自分で動くので実はあったことが無いのである。

「次に行くよ、二問目デデン」

「ハリセン・・・いたい」

「処刑機関、暗殺者の役割は」

「暗殺!」

「違うわよ(電話)」

凡人は自信満々で答えたが、暗殺者からなぜか電話が来て凡人は直ぐにハリセン(さっきよりも二倍でかい)で殴られたので凡人は涙目になった

「いくら何でも!でかすぎだろ?」

「で?正解は?凡人・・・早くしないと本体が遊びに来るって」

凡人は白旗をあげた

「はぁ、経営者」

「お前は、正解は給仕と暗殺だ」

「?????」

「なにいってんだ?みたいな顔をするな、お前な」

経営者は凡人の麦茶を飲みながら夏に入る前の事を話していた、処刑機関の所有地にて機関の13人の役全員がそろった時に暗殺者が給仕をしていたと話して、凡人はようやく理解をした、因みに凡人は暗殺者が給仕をしているのは暗殺者の趣味だと思っていたのである。


「よし、今日の勉強は終わりだ」

「終わった」

「お疲れ様(メイド服)」

経営者は凡人との勉強をお昼前に終わらせた、流石に凡人の頭を色んな情報を詰め込んだのでなぜか湯気が出ている。

「これはすごいな、君の頭から湯気が出ているぞ」

「当たり前だ、経営者・・・お前らが知識を詰め込むからな」

「でも凡人、処刑機関のテストを合格しないと王からのお仕置きが来るよ」

凡人はその言葉を聞いた後に直ぐに逃げようとするが経営者と傀儡によって逃げ道が塞がれる、しかし諦めずに護符も使って逃げようとするが結局捕まって経営者に説教をされるのであった

「ああああ、」

「お前は!護符をそう簡単に使うな!私も大変なんだぞ!お前を止めるの」

「だってええええ」

「凡人、テストの赤点は500点だよ」

「は?」

「因みに今のお前は多分取れて300点だ、後200点は何とかしろ」

「経営者・・・手を組もう」

「悪いが私は600点で限界だ、よく暗殺者は満点の900点を取れるな」

暗殺者はあれでも宮廷につかえる事ができる人材なので頭はかなりいい方である、更に処刑機関のメンバーは一部を除いてかなりの知識があるので普通にテストでも上位にいる者がほとんどであるが、凡人とかゲーマーとか戦車とかは普通に点数が悪いのである。

「因みに自由人は?」

「本体はテストを受けてないよ、なんでも王が自由人が受けたら何がおこるか割らないからって」

凡人は自由人の在り方を改めて疑う事になったのは言うまでもない、そういった事をいくつか話した後に昼食をとるために凡人の家の近くの食事処まで行くことにしたのだが

「伝令!伝令」

「は?」

凡人たちの持つ機関専用の端末に連絡が入る

「なんだ?これえええええええ」

凡人はその内容を見て絶叫した、勿論住宅街なので世間の目は彼につらく当たるが、直ぐに経営者と傀儡が彼を人気のない所に連れていく

「どうしたんだ急に!」

「いや、これ」

凡人が見せてきた画面にはこう書かれていた


凡人・騎士・経営者の三名はこの夏の期間中に「常夏島への任務を与える」という物であった。

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処刑機関の凡人 剣崎 雷太 @135426

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