マサキマン

たざ美ちゃん🎀🎤💜 (=たざわマサキ)

第1話 破滅の始まりの日常

それは、静かに、そして、確実に、始まっていた。


北志麻アキラが顔を洗ったのは、とある元日の15:20。いつもよりちょっぴり遅い、というだけで、他はほぼほぼ変わらない、ひとりぼっちの午後だった。

『さあて…世界情勢は…と』

彼より背丈のある高級冷蔵庫から1リットルの牛乳パックを取り出してヨレた注ぎ口を引っ張り出し、無造作に口をつけてゴクリゴクリとやりながら、グレーのスエット上下で寝起きの彼は、つぶやいた。

いつもそうだが、今日も同じ行動。休みなく静かな排気音を奏でる高性能パソコンのモニター前に座った。

『タバコ…タバコ…』

アニメキャラが掘り込まれた大好きなジッポは、あった。しかし、赤いマークの外国ブランドの嗜好品は…あるべき所にみつからない。

『は?…ってどーゆーことかいなー…(笑)』

つぶやくまでもなく思い出した。12月30日(金)にコンビニで、おせちの三段重に国産辛口生ビールやおつまみやお弁当と冷凍食品までたくさん買い物して万全のつもりだったが、大晦日の夜になりタバコの箱に残された2本を確認した瞬間に受けたショックを。

『…あんりまー…しゃーないわなー…

おせち食べるかー…

ビール!ビール!(プシュー!)…

風呂入って考えますかっ(1人で微笑)』


都内の経済学部を卒業して証券会社に就職したが、数年で退職してからこっちアキラが住んでいるのは、日本の中部地方の海に面した国道脇の、横にやたらと長い建物だ。祖父の代まではかなり賑わっていたが、父が商社マンで、祖父がお星さまになる数年まえに廃業した、ドライブインだった場所。アキラが株式投資で稼いでいなければ他人の手に渡っていたはずだった。いまは彼の名義。

いわゆる温泉街からはかなり距離があるココだが、アキラの楽しみは、この棲家で日に何回でも味わえる暖かい温水を堪能できる時間、なのだ。




以上更新完了2022/1/19(木)17:54


to be continue …

(すこしづつ更新してます…)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

マサキマン たざ美ちゃん🎀🎤💜 (=たざわマサキ) @tazawamasaki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ