16.滅びの美学、書きたいなぁ
唐突ですが、新撰組が大好きです。
浪士組として京都へ向かい、「俺たちは武士になるんだ」と勇んだあの日。
金策に苦しみながらも新撰組と名を変えて組織がどんどん大きくなり、池田屋でその大活躍、まさに飛ぶ鳥を落とす勢い。
でも、急速に時代は変わっていき、剣の時代から銃へと変わり、幕府が圧され、念願の幕臣になった頃には既に坂道を転げていた時世。
不本意にも仲間を討ち、裏切りに遭い、劣勢になりながらも戦い続け、ひとり、またひとりと没していく、暗い未来しか見えない中、ほんの微かな光を求めて足掻き続ける……。
死の間際、何を思ったんだろうか。
輝かしい時代を思い返していたのだろうか。
近藤勇の処刑や、沖田総司の死の間際は、試衛館時代を懐かしんだのだろうか。
藤堂……山崎……、うぅ……、
ああ、涙が……。
一時期、超ハマりました。
西郷隆盛とか嫌いになるくらいには、新撰組にのめり込んでいました。
「いい西郷は会津の西郷頼母だけだ」とか口にしていました。
会津戦争時、「我らが城に入っても役に立ちません」と言って、筆頭家老の頼母さんご一家が幼子諸共自決とか、お、おぅ、あぅあ……、うぅ~。
はぁ~~~~~~~…………。
泣きそう。
『忠義』って言葉だけで泣ける。
歴史の授業なんかで、鎖国だ黒船来航だ、吉田松陰やら桜田門外の変やらが出てきたと思いますが、当時はあんまり頭に入ってこなくて、ドラマや漫画、小説からの知識から入り、理解していったものです。
幼少時から祖母の影響で時代劇をずっと見ていて、水戸黄門、暴れん坊将軍、鬼平犯科帳、三匹が斬る、などなど……。とにかく、時代劇には慣れていて、毎年12月の定例行事で忠臣蔵を放送していた時は、毎年見ていました。
学校では『おーい竜馬』とか読んでましたし、『るろ剣』とかも好きでした。
すみません、今回も脱線しました。
そんな時代劇慣れして、学校でもだいたいの歴史を習った上で、新撰組の辿る結末とかもわかっているんですよ。彼らが敗軍であると。
で、冒頭のお話に戻るわけです。
結末がわかりながらも、そこに『語られない』歴史があると思うと、すごくしんみり来るんです。
途中で気づいていたんだろう?
もう、みんな揃って笑い合える日なんて、二度と来ないことを。
必死に堪えていたんだろう?
懸命に生きて、笑って、でもその笑顔の裏には、苦悩が、悲哀があったんだろう?
わかっていながら、それでも進むしかなかったんだろう?
ここで立ち止まったら、死んでいったヤツらに顔向けできないとか、思っていたんじゃないか?
いいよ、もう逃げていいよ。
充分がんばったよ。
もういいじゃないか。
ああ、また涙が……。
ちょっと気を取り直して。
似たようなところでは、『鉄血のオルフェンズ』ですかね。
少年兵としてでしか生きられない、大人に食い物にされている主人公勢が、組織を立ち上げて、いつかこんな切った張ったの仕事ではなくて真っ当な仕事をして『上がる』んだと突き進み、知名度も上がり、それなりの組織になっていく。
それでも、抗い難い力に、だんだん組織は傾いていき、決死で戦うしかなくなり、立ち上げからの仲間もどんどん死んでいき。
機体の手足が欠損し、それでも敵を圧倒しながら戦い、敵から恐れられ、でも最後は数の暴力でやられる。
最後は主人公機の頭部を剣で串刺しにして「討ち取った!」ってやられる。
結構、このオルフェンズって賛否ありますが、わたしは大好きですよ。
新撰組同様、感じ入るものがあり、二週目も見ました。
バッドエンドと言う人もいますが、こういうの、大好きです。
(わたしの感性では、これはバッドエンドとは呼びません)
こういうの、書きたいな~。
ニーズないかな~。
でも書きたいな~。
しかし、書く時は注意しないといけないなと思う点があります。
(勝手に思ってるだけです)
殺すなら、なるべく引き延ばさないと。
(いきなり爆弾投下しましたすみません)
ぽっと出のキャラ殺してもなんとも思わんのですよ!
長い間、読者と共に過ごしたキャラクターだからこそ、喪失感が出るんではないでしょうか?
ここ数年だと、『ファフナー』で学びました。
地上波放送(2クール)、前日譚テレビスペシャル、映画、地上波(2クール)、劇場放送OVAを経た大作です。
名シーンたくさんありますが、第一期から登場の、ずっと死なないと勝手に視聴者が思い込んだキャラクターが、最終シーズンで死にそうになり、死んだあの時。
あぁ、とちょっと自失しました。
そして、学んだんです。
殺すなら、引っ張り続けて殺しましょう。
(神在月ユウ、鬼畜川柳)
異論は認めます。
とりあえず、わたしが書いた『竹取物語』は10話ですが、『死』をもって思いのほかしんみりしたな、と思っているので。
今回は、そんな趣味趣向のお話でした。
小説書く上でのこだわりについて 神在月ユウ @Atlas36
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。小説書く上でのこだわりについての最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます