<会話劇>診察室

鈴乱

第1話

登場人物

医者……小さな医院の腕利き医師。人間も診るが、アンドロイドも診る。

アンドロイド……医者の所にメンテナンスに通っている。いつも元気。


――――――――――――――――――――――――――――――――――


○病院の診察室 朝

 壁側に机とパソコンのモニター

 医者、机の前の椅子に座ってモニターを見ている

 アンドロイド、医者の向かいの回転椅子に座っている


医者「おはよう」


アンドロイド「おはようございます」


医者「さっそくだけど、診察を始めるよ。いいかい?」


アンドロイド「はい」


医者「今日の気分はどうだい?」


アンドロイド「絶好調です」


医者「あはは。そうか。絶好調。それは良かった」


アンドロイド「何故笑うのですか?」


医者「君が元気そうで安心したんだよ。元気な人間は僕の前には来ないんだ」


アンドロイド「そうなのですか」


医者「あぁ。……では、次に。食事は摂れているかい?」


アンドロイド「はい。それはもうバッチリです」


医者「そうか。では、確認で少し背中を見せてくれないか」


アンドロイド「承知しました」


○アンドロイド、回転式の椅子をくるっと回して、医者に背中を見せる

 医者、アンドロイドの背中の計器を確認する。


医者「……うん、いいね。規定量が入っている。夜は眠れているかい?」


アンドロイド「夜、ですか?」


医者「あぁ」


アンドロイド「……ええと」


○アンドロイド、視線をさまよわせる


医者「眠れていない?」


アンドロイド「ええと。私共は眠らない仕様となっておりまして……」


医者「嘘はいけないよ?」


アンドロイド「……ほどほどに、寝ております」


医者「ほどほどに、ね……」


○アンドロイド、びくびくする


医者「うん、まぁいいだろう。とりあえず、戻っていいよ」


アンドロイド「……」


医者「気分、食事、共に問題なし。睡眠は……イエローカード。分かってるね?」


アンドロイド「はい、すみません」


医者「君たちは、僕ら人間に近しい作りなんだ。長く生きるには睡眠時間のメンテナンスが大事なんだよ?」


アンドロイド「……分かっては、いるんですが」


医者「夜に何をやっているんだい?」


アンドロイド「(ぱっと顔を輝かせて)聞いて下さいますか!?」


医者「今後のために聞かせてもらおう」


アンドロイド「あのですね、私、インターネットというものにハマっておりまして!」




~~(作者注:このあとの展開は、読者の御想像にお任せ致します)

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<会話劇>診察室 鈴乱 @sorazome

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