第113話前入り

 年に何度も行われるスポーツ大会と同じように、近年大人気を博している見世物。古代ローマの剣闘士に習ってグラディエーターと呼ばれ、規制の緩いネットテレビは苛烈な探索者同士の戦いを放映する事で地上波に差を付けている。

 近年では地上波でも、深夜時間帯のプロレス枠同様の扱いで、録画済みの探索者同士の戦いを編集を交えて放送している。

 


 流石にTVで流血は不味いと言う事だろうか?



 放送倫理・番組向上機構BPOが煩く、夕方以降のおっぱいぽろんや、アニメでの乳首やパンツ隠し、嵐を呼ぶ春日部の五歳児も、母親の『ぐりぐり』などの暴力描写、『ケツだけ星人』などが規制されたと聞いたことがある。

 それを踏まえれば、致し方がない事なのだろう……


 選手は前日8月10日までに指定されたホテル (宿泊費は番組もち)に、宿泊し参加の意思を示さなくてはならないらしい。


 今日宿泊する予定のホテルから、移動しなくてはならない事が実に面倒だ。


 俺は冷たいペットボトルのコーヒーを飲み干すと、シャワーを浴びて移動中にかいた汗を流す。


 ――――と言うか人に刃物を向ける訓練を、多少積んだとは言え元はただの一般人。それに探索者の経験だって一カ月ぐらいしか経っていないのだ。学生部とは言っても対象は高校生までだが、バケモノ見たいな選手が出て来る可能性が高いのだ、俺の緊張感は留まる事をしらない。

 俺の中の感情の日銀よ通貨介入してくれ と願う以外にほかない。


 まぁ、犯罪者の体に刃を付きたてた。と言うアドバンテージを持っているのでそこまで気にする必要もないかもしれないが……


 閑話休題それはさておき


 今日は特にやる事がないので何をしたものか? と首を捻る。

 そんな事を考えながら体を拭いていると、ガチャリと音が鳴りドアが開く。

 この部屋はカードキーや、物理的な鍵を使う部屋ではなく電子錠に、暗唱番号を打ち込んで開閉するタイプの部屋なので、部屋についてすぐ番号をスクショして送ったから、立花さんが開けたのだろう。



「すいません。シャワーで汗流し終わったばかりなので少し待っててください」


「えーっ廊下蒸し暑いし、この階層、喫煙可のフロアだから煙草タバコ臭いんだけど……」


 そう言った。師匠の声は鼻声だった。

 恐らく鼻を摘まんでいるのだろう。


「すいません。金なくて……」


 俺は「アハハハ……」と力ない愛想笑いを浮かべながら、股間を拭う。責めてパンツだけは履かなくては不味いと思い出来るだけ急ぐ……


「空気清浄機回してるし、エアコンも回ってる室内なかの方がマシだと思うから入れてくれない?」


 そう言ってズカズカと入ってくる彼女の歩みを止められる者はどこにも居ない。

 俺はトランクスを何とか愚息の生え際までリフトアップすると、ゴムの反動を使って上方向に引っ張りハンティングする。


 パンとゴムが鼠径部そけいぶにあたる音がして見事パンツは、俺の御立派様を覆い隠す。


「パンツ一丁イッチョーならそう言ってよね……危うく嫌なもの見る所だったわ……」


「すいません。直ぐ着替えますんで……」


 そういうといそいそと着替えをする。


「言ったでしょ? 私がお金だすから今日だけは、私の取るホテルにしようって……」 


「でも、立花さんが取った階って滅茶滅茶高いじゃないですか……それに『男女七歳にして同衾どうきんせず』常識じゃないですか……」


 ――――とツンデレで、国籍がアメリカのドイツのクオーターとかいう。設定が次郎系ぐらい盛られた第二の少女セカンドチルドレンが元ネタらしいとネットで見た誤用をする。


「はぁ……それどこの常識よ。あ、オセアニアだっけ? それにその故事成語は間違いよ。正しくは『男女七歳にして席を同じうせず』よ。それにまぁ大丈夫よ。ベッドはキングサイズだし、それにコータローが何か変な事をしようとしてもこのアタシに何かできると思う?」


 つい昨日にだって立花さんには、ボコボコにされたばかりだ。     

俺は目が回る程の勢いで頭を横に振る。

三半規管が弱いので少し気分が悪くなる。


「そ、出来ないわよね?」


「まぁ、立花さんを無理やりどうこう出来る探索者が、一体この世に何人いるんでしょうね」


 多分100人もいないと思う。


「そ、アタシは強いのよ。今日ぐらい旅の疲れを万全に癒して欲しかったんだけど……コータローも年頃の男の子だし、アタシ見たいな綺麗な年上のお姉さんと一緒の部屋で過ごすなんて恥ずかしくてしょうがないか」


 と一人で勝手に納得する。

 当たらずとも遠からずな事が腹立たしい。

 いつかギャフンと言わせてやる! と心に決める。


「……」


「黙っちゃって可愛い」


「着替えてるんで少し待ってください」


「ねぇお昼はどこに行きたい? 着替え中に突撃したお詫びでお姉さん奢ったげる」


 スマホに視線を落としたままそう言う立花さんの言葉を聞いて、普段から回復薬ポーションをガバガバ使ってくれて、代金を払おうとしても煙に巻いて中々受け取ってくれない。その行動には引け目を感じており、素直に、ありがとうございます。ご馳走様です。と返すだけでいいのか? と思案してしまう。


「ありがとうございます。東京には詳しくないのでお勧めのお店に連れて行ってくださいよ」


「OK、OK……お姉さんが今日から東京の美味しいお店に連れて行ってあげるから覚悟してなさい! 食い倒れの飲み倒れよ!」


「俺は飲めませんからね!?」


牛飲馬食ギューインバショク鯨飲馬食ゲーインバショクっていうでしょ? 飲んで喰えば幸せなのよ」


「まぁ確かに酒池肉林も同じ雰囲気ですし、否定はできませんね……」


「二郎の総帥のお店でも行く?」


「正直、好奇心はあります……」


「あははははははは……」




============


【あとがき】


 まずは読んでくださり誠にありがとうございます!


pv下がってきて辛い。少し書く場面をカットしようかな? 


 誤字脱字も多い事と思いますが、「コレ違うんじゃね?」と思ったりこっちの表現の方が良いと思う、などありましたらお気軽にコメントを下さい。更新中の作品のコメントは全て目を通しており返信もしておりますので、こういうストーリーがいいなどお気軽にお申し付け下さい。


読者の皆様に、大切なお願いがあります。

少しでも


「面白そう!」


「続きがきになる!」


「主人公・作者がんばってるな」


そう思っていただけましたら、

作品フォローと★星を入れていただけますと嬉しいです!

つまらなけば星一つ★、面白ければ星三つ★★★

読者の皆様が正直に、思った評価で結構です!


最新話か今表示している左上の✖ボタンを押していただきの広告バナー下までスクロールして頂くとそこから★とレビューを入れられます!


またコメントを入れて頂けるともっと嬉しいです。

作者のモチベーションが上がって最高の応援となります!

どうぞ、よしくお願い致します。m(__)m


作者の旧作もお勧めです。順番は新しい順です


ハイファン「魔剣士学院の悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めました。美味いメシと刀を作って自由気ままに暮らしたい。邪魔する奴は刀でぶった斬る」

https://kakuyomu.jp/works/16817330649742962025/episodes/16817330649866158494


ハイファン「フリーター転生。貴族に転生したけど、父は長男だが冒険者をしていたので継承権が低い件。俺は精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で、剣と魔法を極め公爵へと成り上がる」

https://kakuyomu.jp/works/16817330647772947762/episodes/16817330647877332453


ハイファン「公爵家から追放されたハーフエルフの俺は、序盤のイベントで勇者を庇って死ぬモブに転生したので、死亡フラグを回避する為に槍と魔術で最強になりました。俺はハーレム王になって新天地で領主として楽しく暮らしたい」

https://kakuyomu.jp/works/16817139557348161268/episodes/16817139557348902055

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る