第2話
謁見、ですにゃぁ。
予想通り、国王と第2第3王子が来たにゃぁ。
うん。やっぱり第1は来ないにゃぁ。
来られても、僕困るです。にゃぁ。
「猫神さまには、ご機嫌麗しく…」
──にゃぁ。
くるしゅーない。
僕のお腹はミルクではち切れんばかりです。にゃぁぁぁ…。
「そんな猫神さまにっ」
王子その2がジャジャジャジャーンと懐から何かを出してる…にゃぁ。
──にゃぁぁぁ!にゃぁぁぁ!
それ下さい。にゃぁぁぁ!
ネズミのぬいぐるみの先に糸と棒がくっついているオモチャだにゃぁぁぁ!
──にゃぁにゃぁにゃぁ!
遊んでにゃぁぁぁ!
「お腹いっぱいですかね?」
王子その3が懐から固そうな木のオモチャみたいなのを僕にチラ見せしてるにゃぁ。
…………いいにおい。にゃぁ。
じゅる。あっ、ヨダレが出そうにゃぁぁ。
それちょーだい!欲しいにゃぁぁぁ!
「かーみーさーまー。お行儀悪いですよー」
アイリが僕をジト目で見てます。にゃぁ…。
うううっ…ミルクばっかりで飽きたんだにゃぁ…。
たまには他のものも食べたいんだにゃぁぁ!
王子二人が僕の目の前で見せびらかしてる…にゃぁ。
ウズウズ…。
と…飛びかかりたい…。にゃぁぁぁ…。
はっ!
視線を感じる。にゃぁ。
白髪混じりのおじさん…もとい国王が、僕を見る目がどう見ても変態さんに見える…にゃぁ…ぷるぷる…。
目尻下げて、両手広げて……うん。危ない…にゃぁ…。
「…国王さま、かみさま怯えてます……」
「ええっ…そんなぁ…」
いい歳した白髪混じりのおじさんがいじけてますにゃ。なんだろう…じめっとキノコが生えてる幻覚が見えるにゃ…。
よし。僕は何も見てません。きっと幻覚です…にゃ。
王子2と3…を見てみたにゃ。
……。
親子だにゃぁぁぁ!
おんなじ体勢で、顔が緩みきってニヤニヤしてるにゃぁぁぁ!
「こっちにおいでぇぇ」
オモチャ片手に僕を呼んでるにゃぁ…。
背に腹は変えられないにゃ。
よし。
遊ばれてあげる、にゃぁぁぁ!
我が輩は子猫である。にゃぁ…。 風見渉 @Shou_k89
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