我が輩は子猫である。にゃぁ…。

風見渉

第1話

 僕は猫であります……にゃぁ。

 三毛猫とかいうやつらしいです。にゃぁ。

 でも何故か人間の世界で神様やってます。にゃぁ。

 気がついたら子猫でした。にゃぁ。

 すごい昔は猫じゃなかった気がします。でも覚えていません…僕、役立たずぅぅ。にゃぁぁぁ…。

 どんなに時間が経っても、僕はずっと子猫のままです…にゃぁ。

 僕は普段、王宮の奥の方の部屋にいます。だだっぴろいの…小さい僕にはどう見ても無駄です。にゃぁ。

 無駄遣いはーんーたーいーにゃぁ。



「かーみーさーまーごはんですよー」


 いいにおいだにゃぁ。

 あっ…そっちじゃないのね。


 目の前におかれたミルクをちびちび舐める。

 お供え物横に見ながら……食べたいにゃ。


 お供え物のにおいに惹かれふらふらと歩いていくと、お世話してくれるアイリに怒られました。しょぼん。

 アイリは神獣使いの一族の子です。

 アイリの一族は、ずっとずっと昔から僕のお世話してくれました。ありがとうです。にゃぁ。


「だめですよー。見てるだけです」

──にゃぁにゃぁ


「スパイスいっぱいでお腹いたくなりますよー?」

──にゃーっ!


 見せるだけとか酷いのです。にゃぁぁぁ…。

 たまには、ミルク以外も欲しいんだにゃぁぁぁ…。




「かーみーさーまー。もうじき謁見なので、お口周り拭きましょうね」


 謁見!にゃぁにゃぁ。


 アイリが丁寧に口周りと、脚の裏を拭いてくれる。

 あっ肉球ぷにぷにされたにゃぁぁぁ…くすぐったいのです。やーめーてーにゃぁぁぁ……。

 お腹いっぱいで眠くなってきたにゃー…。

 あっ、だめ…お…や…す……


「寝ちゃだめですってばー!」


 びくぅっ!

 大きい声出さないでー。アイリに怒られました…2回目。しょぼん。


「謁見があります!」


 アイリのちょっと怒った顔が目の前に現れた。にゃぁぁぁ…。


──にゃぁにゃぁ、にゃぁにゃぁ…


 ごめんなさい。悪気はたぶん無いですにゃぁ。



 謁見は誰が来るのかにゃー?

 ………。

 国王と第2王子と第3王子だよねー。

 えっ?第1?

 ないない。来るわけ無いにゃー。

 来たら槍の雨が降ってくるにゃー。

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