結婚式

「、、、ねえ、ミハエル。私達も、何時か離れてしまうのかしら?貴方は、私が年を取っても、何時までも傍に居てくれる?」

「ケディー?」

「ううん、何でも無いの。」

「、、、ケディー、愛してる。僕が一生君を守ってみせる。何があっても、君から離れない。僕が守ってやる。命にかけても、、、!」

「ミハエル、、、!」

「ケディー、君は、僕とずっと一緒に居てくれるかい?僕が、ビーンさんみたいにお爺さんになっても。」

「ええ、、、!ずっと一緒に居るわ、、、!」

二人は抱きしめあいました。ケディーを腕の中に、ミハエルは語り掛けます。

「ケディー、警官の話を聞いて、君は凄く不安になってるね。大丈夫、僕が付いてる。死ぬ時は一緒だ。、、、

そう言えば、僕達はまだ結婚式をしていないね、、、今、しようか?」

「でも、、、ここは教会じゃないし、神父様も、立ち会ってくれる人も居ないわ。」

「構わないさ。」


ケディーはミハエルから託された、王妃の指輪を一時ミハエルに返し、二人は誓いの言葉を言います。

先ずはケディーから、

「、、、ミハエル、汝はこの女を妻として一生愛し続けると誓いますか?」

その言葉にミハエルは誓いを立て、そしてケディーに問いかけます。

「はい、誓います。、、、ケディー、汝はこの男ミハエルを一生愛し続けると誓いますか?」

そしてケディーが答え、誓いを立てます。

「、、、はい、誓います。」

そしてミハエルは先程受け取った指輪を改めてケディーの薬指にはめます。

誰も立会人など居ませんでしたが、それでもその結婚式は二人にとって立派な婚礼の儀でした。

そのまま二人は見つめあい、誓いの口づけを、、、


「おーい、ここにミハエルとケディーって人は居るかい?」

若い青年が訪ねてきて、すんでの所で二人は口づけを交わす事が出来ませんでした。

良い所で邪魔をされて、ケディーは膨れ顔。

青年は郵便配達員でした。

「?何かそっちの人えらい不機嫌だけど。」

「あー、気にしないでくれ。」

不機嫌なケディーに苦笑しながら、ミハエルは青年に答えました。

「ダイヤモンドシティから、ルイって人からだ。緊急かつ内密にってさ。」

「「ルイ!?」」

二人は驚いて顔を見合わせました。ミハエルが手紙を受け取ります。

「確かに渡したよ。じゃ。」

青年は鞄から手紙を渡すと、去っていきました。手紙にはこう書かれていました。



ミハエル、ケディー、この手紙を読んでいるなら今トルコ島に居るんだろう。

ハミルトン警部は、トルコ島に君達は居なかったと報告したが、母上は聞き入れなかった。

ハミルトン警部を解任し、

「ミハエル達は、絶対にトルコ島に居る!早く二人共捕まえて!その場で殺して死体でも構わん!」

と、手が付けられない、近い内に別の追手を差し向けるだろう。もっと遠くの、別の場所に逃げるんだ。


ルイ



「ケディー、どうやら島を出なければいけないみたいだ。」

「やっと落ち着ける場所に来たと思ったのに。」

「仕方がないさ。だけど、何処に行けば、、、」

「ここから北東に無人島が御座います。そこへ行くが宜しいでしょう。」

「「ビーンさん!?」」

二人は驚きました。眠っていたビーンが目を覚まし、二人を見ていました。

「昔通り豆じいで構いません、ミハエル王子。」

「、、、僕の事、憶えていたのか、、、」

「初めは分かりませなんだ、儂も耄碌したもんです。あの時のイタズラ坊主がご立派になられた。素敵な奥様もご一緒で。

、、、この手紙を船頭にお見せなさい、無人島に連れて行ってくれるでしょう。場所は船頭しか知らぬ。

ここと違い豊かな土地で食べる物にも困りませぬ、ルビーの奴めにも見つからんでしょう。

幸せを祈っておりますぞ。ミハエル王子、ケディー王女。」


終わり

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ケディーの生涯 街田小夜 @machidasayo

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