転生してから千年以上、帝国を反映させた名君である主人公が、冒険のために自国を出るという物語ですが、あらゆる魔法も不老不死も手に入れた最強の皇帝なのに、冒険のため、身分も能力もすべて隠しながら旅をします。
未開の地で繰り広げられる冒険は、珍道中そのもので、登場するキャラクターがみんな一癖も二癖もある者ばかり!
しかし、皇帝は身分を隠しても、人徳は隠しきれないのか、望んでいないのに崇められてしまったり、挙句の果てに旅に同行されてしまいます。
コミカルでテンポよく話は展開しますが、皇帝の民(自国も他国も含む)に対する優しさや思いやりは人一倍強く、一方で皇帝であることを鼻にかける様子もなく、人間的に素晴らしいところが非常に魅力的です。しかし、その魅力が仇になって、宗教的崇拝の対象となるなど、思惑とはぜんぜん違う方向に話が進んでしまうのが、またおもしろいです!
それを一個一個、火消しに奔走する『朕』こと、ローエン様の行く末を、見守りください!
普通に読んでるだけでも、一人称と描写テンポがとてもリズムが良いので笑ってしまいました!
基本スタンスがとても潔い設定になっており、朕の崇拝され具合が微笑ましいどころか笑えましたw
タイトルの通り、朕は帝国から姿を消すことにはなるのですが、いなくなって謀反どころか、かどわかしたやつを殺す方面で全員が舵をきる様は読んでいて笑いが止まりません・・・w
それに朕自身も旅すがらで、文化の違いに戸惑うも柔軟に自分の間違えを受け入れるというとても度量が大きい人物というのがとても素晴らしいです!
朕の愛され具合は帝国の者だけでなく旅で出会う人物たちにとっても同じではあるのですが、可愛らしい少女たちから安易にお日様や花の匂いがしない、というのはとても設定として秀逸に感じました!
まだ序盤を読んでいる最中ですが、腹黒なのは村のお母さんだけだったので、この先の展開も楽しみになる作品となっています!