愛しき人と交錯せし毒薬

漢字かけぬ

第1話 私利私欲な助教授!!


とある大学の研究室。

地味ながらも長年在籍する程度には功績をあげているトワリ教授。

彼女の教え子であり数々の偉業を残したリン助教授。

そんな2人が入れ替わるお話。


 ー 倫理崩壊大学 研究室 ー


今日も今日とて平和、研究室に白衣を纏った女性が2人。

倫理崩壊大学、通称倫大。

主に食虫植物の研究が有名で教授が第一人者。




 「トワリ教授♡コーヒー淹れましたよ。ちゃんと砂糖とコーヒー多めです♪」

 「すまないなリン君」

 「ついでに食虫植物の酸でお腹の余計な物質を溶かしましょう!」

 「確か君が特許持ってた技術だな。ダイエットに効果的だとか」

 「外界は欲望にあふれて汚れていますから♪

教授の清廉なる魂を汚させるわけにはいきませんし☆」

 「いや、私ただの人だからな」ドン引き


 「いえ単身大学に行き孤独だった私を救ってくれたのですよ?」

 「アレは研究打ち切られそうだったから学生の頭数が欲しくて」あせあせ

 「でも救われたのは事実です♡

あのままならヤリサーの道具にされてそうでしたし♪」指で輪っか激しく前後

 「そこ、卑屈なハンドサインしない。

私ならともかく君ほど有名になればスキャンダルの的だぞ?」

 「教授の家にお呼ばれしたのを情報提供リークさせました☆」

 「それ私が叩かれるやつじゃん!!!」マジヤバい!!

 「ここまでしないと教授は私を見てくれませんから」うっとり

 「一時期なんか暖かい目で周囲から見られてたのはそれが原因か!!!」

 

 「教授はことあるごとに私を海外留学させようとしましたから」

 「知識付けてほしいからさ」

 「教授と2人一緒じゃなきゃ嫌です!!!」

 「そんな理由で断ってたの!!!」まじか!

 「人類の発展よりも愛のほうが大事ですので♪」

 「世間一般ではヤンデレと定義されそうだな」コーヒーごくごく


純愛ですよ?

 

 「そういえば新薬をコーヒーに入れましたよ?」

 「ブゥーーーーーーーーー」

 「マーライオンもびっくりな噴射速度ですね☆」

 「また勝手に私を実験台に・・・あれ・・いしきが」バタリ

 「では私も♪」



 ー 数十分後 ー


 「ああ、なんか頭痛いし。ン?なんで”私”が寝っ転がってるんだ?

おーい起きろ私ィ」ゆさゆさ

 「んんー。おはようございます。トワリ助教授。いえトワリ君」

 「は?」どゆこと?

 「単純な話入れ替わり薬だ♪

私がトワリ君の体でトワリ君がリン君の体だ☆」こんな口調だったはず

 「そこまでして教授の役職欲しかったのか!!!

それなら1か月に1度の周期で話してただろう!!」

 「いえ地位なんてどうでもいいです!

私が欲しかったのはトワリ君の血です♪

こういうふうに図で出せば分かりやすいでしょうか?


図1


トワリー男性A    リンー男性B

   |         |

  子供C        子供D

   |ーーーーーーーーー|

        |

       子供E


図2

 

トワリ (入れ替わりリン)ー男性C

             |

            子供F


御覧のとおり図1ではトワリ君とリン君の子供ができるのに2世代経過します。

これでは2人ともおばあちゃんです。

さらにトワリ君の遺伝子が25パーセントしかありません。


図2ではどうでしょう。

私が入れ替わったことによりトワリ君の遺伝子50%の子供ができるんです☆」


 「愛が重い!!!というか正気か!!

今まで積み上げた地位を捨ててまで私と入れ替わるなんて!」

 「そんなものは過程ですよ?

これでトワリ君は苦を労せず天才の称号を得ますから」

 「私がしたことなんて

たかだか相談に乗ったりコーヒーを一緒に飲んでただけだが!!!」

 「それが私にとっての救済だったんです。

トワリ君の役に立ちたいと必死になって勉強をしました。

100の研究成果より教授に褒めらる時間が欲しかったから」

 「なるほどいずれ来るであろうリン君の昇進にあわせてか。

2人が入れ替わればリン君の体は教授で

私トワリの体は助教授」

 「ええ、そろそろ世論を抑え込むのが限界でしたから。

私よりもトワリ君が下という事実が許せませんので☆」


 「私の研究は事実上トワリ君発表の物になりますのでご安心を♪」

 「それってゴーストライターでは?」

 「必要な犠牲です♪私はいつまでもトワリ君を支えたいので」

 「教授は弟子に追い抜かれる物だと思っていたが、

若返って教授やらされるとは予測してなかったぞ?」

 「その体なら今まで倫理的に出来なかった研究もできるはずです☆

実績が伴えば世論の意見も圧殺できます♪

例えば青色発光ダイオードも、青いバラもあとから生まれたんです。

私が言いたいのは倫理観はただの赤信号、ブレーキなんです!

故にこの世界を青く、青信号で染めましょう!!!」

 「とりあえず女性同士で子供作れる薬でも作ろうかな。

君と私の子供といえばロマンチックだろ?」

 「//////♡」赤面

 「入れ替わったなら私のほうが給料高くなるだろうし指輪も私持ちだな」

 「は、反則過ぎます!!!!」ずきゅううううん

 「じゃあ片っ端から実験するぞ!トワリ助教授?」

 「はい!リン教授!!!!」


歪んだ愛により地位を手に入れたトワリ。

そしていつまでも彼女を支えたいと願ったリン。

彼女たちが同姓で子供を作る共同研究を発表したのはそう遠くない未来である。

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