「無人駅」「夜景」「コカ・コーラ」

「今回の標的はこいつか」

看板の裏に隠れて俺は一枚の写真を見ながら確認した。

相手も凄腕のスナイパー、お前の情報も回ってるから気をつけろとそう伝えられている。

「出回る情報なんて何があるんだ」そう思った矢先、殺気がして別の箇所にあるコカ・コーラの看板が吹き飛んだ。

そうだった。俺は癖でいつも看板の裏で任務を遂行するんだった。

看板なんて虱潰しに吹き飛ばされたら終わりだ。

俺はおもむろに携帯を取り出し、仲間に連絡をした。

「ここ一帯を全部停電させてくれ」

一面の夜景が全部消えた。

これで相手に目印の看板は見えない。

俺は真っ暗の中、看板から身を乗り出した。

チャンスは一度きり。吹き飛んだ看板の角度からある程度の相手の位置は把握している。あそこの無人駅だ。後は自分の空間把握能力を信じろ。

俺は信じてターゲットの場所に撃った。

「停電を終了してくれ」

夜景が戻った。

俺の眼に倒れたターゲットが映った。

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三題噺短編集 火炎焔 @kaenhomura

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