V.7.1 2022年 第67回全日本学生拳法選手権大会 観戦記
@MasatoHiraguri
第1話 はじめに
双眼鏡なしでの今大会、なるべく近くで観戦しようと、3階大会役員席の端(通路)まで行きました。
幸運にも、たまたまそこへ通りがかった大会関係者の方の、粋なご配慮(通路にいた人たちが見やすいように衝立をずらしてくれた)により、立ち見とはいえ、相撲の砂かぶりほど近すぎず、歌舞伎座の一見(天井桟敷)ほど遠くもなく、且つ、ビデオ映像よりも広い視野で観戦できました。
男女それぞれの準決勝戦・決勝戦、計6 試合を観戦させて戴きました(関学対明大戦はビデオ観戦)が、特に、関西学院大学(かんせい・がくいん)女子の決勝戦(対立命館大学)と、同じく関西学院大学男子の決勝戦(対中央大学)は、今まで気づかなかった「関西の大学日本拳法」について、大いに勉強となりました。
そこで見た「時間の重みと場数」という、関西と関東の格差に対する絶望感は、逆に日本拳法というものの奥深さを改めて認識することで喜びとなり、また彼らの「アナデジ拳法」は、大学から日本拳法を始めた多くの関東人の心をインスパイアしてくれたのではないでしょうか。
過去2018年・2019年の実観戦に比べ、今回は絶景の場所プラス別の幸運も重なり、コロナ禍で2年半も台湾に閉じ込められていた私にとって、まさに年末ボーナス気分での3時間となりました。(台湾でコロナに罹患したわけではありません。空港での狂気じみた混乱に巻き込まれるのが嫌で、日本への帰国を延期したのです。)
せっかく享受したこの幸運(感激)を多くの方に味わって戴きたいと、僭越ながら「2022年 第67回全日本学生拳法選手権大会 観戦記」と題し、クリスマスのサンタさながら、私の「幸運体験」を贈り物として、ばら撒かせて戴こうというわけです。
カントは、何らかの色眼鏡で世の中を見ている私たち人間に、それらを取り払った「純粋理性」(による人生の楽しみ方)というものを示してくれました。
逆に、様々なものの見方や価値観、豊かな感性・情感という万華鏡(錦眼鏡(にしきめがね)・百色眼鏡・カレードスコープ)のような「心」で「単なる殴り合い」である日本拳法を、より心豊かに楽しもうとする「純粋理性を鏡にした」大学も、関東には多く存在します。
この書が、彼らの取り組みと同じく、大学日本拳法という重厚広大な世界を楽しむ上でひとつの参考となれば幸いです。
2022年12月30日
V.5.1
2023年 3月15日
V.6.1
平栗雅人
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