第12話 E級ダンジョンは思った以上に余裕

 探し始めること―――一三秒。

 早速モンスターを発見した。


「まさかこんなに簡単に見つけられるとは……」


 広いはずなのにおかしいくらいうじゃうじゃいるな。

 こんなもんなのか、E級ダンジョンは?

 恐ろしいな。


「まぁ今の俺からしてみれば有り難いだけだが」


 どうやら今回俺が見つけたのはオークと言うモンスターらしい。

 体躯もざっと三m程はありそうだが、まぁそこまで強そうではないな。

 

《戦闘開始。

 対象――オーク。

 弱点――頭。

 タイミング――接敵して直ぐ。

 予測――七秒後振り下ろし》


 成程な……なら七秒以内に倒せば良いのか。


「そんなの……余裕ッ!! ――《加速アクセラレーション》」


 俺は自身の体に《加速アクセラレーション》を掛けると同時に思いっきり地面を踏みしめてオーク目掛けて走る。

 その速度は魔法の効果とステータスのお陰でチーターに迫る勢いだ。

 まぁ言っても俺の体感でしか無いが。


 俺はいきなり目の前に現れた俺に驚いているオークの頭に全力の一撃を下す。

 槍のため俺よりも高い位置にあるオークの頭でも余裕で攻撃できる。


 更に棒とは違って槍は斬れるのでそのままオークの体を両断。

 『ズダンッ!!』と言う音と共に地面に槍が突き刺さった。


「ふぅ……肉を斬る感触は潰すよりも大分マシだな」


 俺は地面に刺さった槍を引き抜きながらそんな事を思う。

 目の前には真っ二つになった大変グロいオークの死体が横たわっている。

 放っておきたいが、この肉は美味しくお金になるらしいので空間収納バッグに入れておく。

 

 しかしどうやら死体を回収するのが遅かったらしく、周りには血の匂いを嗅ぎつけた大量のモンスターの気配が。

 それもオークやゴブリンだけでなく、知らない気配もあるが多分これがウルフだろう。

 その気配も合わせるとざっと一〇〇匹ほどいる。


「……これは少しマズったかな……」


《戦闘開始。

 対象――ゴブリン・オーク・ウルフ多数。

 弱点――総合して頭。

 タイミング――多数のため不明。

 予測――多数が襲いかかってくる》


 やっぱり多数になるとこのスキルも曖昧になってくるな。

 だが案の定【記憶再現】が出ないので勝てると判断したのだろう。

 なら俺もその期待に応えないとな。


「【身体強化】《加速アクセラレーション》」


 俺は自分の持っている強化系を全て発動させる。

 身体強化のレベルも上がっているので昔よりも高揚感が強い。

 ぐっと槍を握りしめる。

 覚悟は決まった。


「――かかってこいや雑魚モンスター共ッッ!!」


 俺は迫りくるモンスターを近付いてきた奴から斬り殺していく。

 ゴブリンは体を両断するか柄の方で強打して殴り殺す。

 オークは、絶対に折れないと言う武器の特性を生かして剣の腹で頭をかち割る。

 刃を刺してしまうと抜けなかった時が大変なのでなるべくオークは殴るようにしている。 

 この二種類は倒すのが簡単だった。

 何より倒した経験があるため気持ち的にも楽だ。


 しかしウルフは二種類とは違って倒しづらかった。

 まず四足歩行のため首が見えないので攻撃しづらい。

 更には他の二種類よりも素早いため攻撃も当てにくかった。

 

 だがそこまで大変でも無かった。

 此処に来て【時空魔法】の《鈍化スロウ・ダウン》が大活躍したのだ。

 この魔法は直に触らないといけないのだが、【魔力親和】のお陰で、魔力が当たった敵に発動させることが出来る様になっていたので、魔力を垂れ流しにしていれば勝手に敵が魔力に当たってくれる。

 後は魔法を唱えるだけで、どのモンスターもまるでスローの世界のように遅くなった。

 まぁその分魔力を消費するが、俺にはS級プレイヤー並みの魔力があるので全然余裕だ。

 更には【魔力親和】の効果か、どんどん魔力が回復していくのでほぼ無限。

 

 そうして遅くなったモンスターを俺はバッタバッタと薙ぎ払っていく。

 もはやこうなれば作業のような感じだ。


 そのためほんの一〇分程で、一〇〇匹も居たモンスターが全滅。 

 流石にこんなに倒したら勝てないと感じるのか、モンスターが勝手に逃げていった。

 周りに生きているモンスターが居ないことを確認して地面に腰を下ろす。


「ああああ……やっと終わったあああああ……」


 もうクタクタだ。

 しかしこれ程のモンスターを倒せばレベルも大分上がっているはず。


 俺は少しワクワクしながらステータスを開く。



—————————————

八神響也 17歳 

Level:28(+8)

《ステータス》

体力:740/740(+160)

魔力:1370/1370(+80)

攻撃力:170(+40)

防御力:114(+24)

敏捷力:198(+48)

精神力:236(+56)

《固有スキル》

【異世界の記憶Level:2(EX)】

《特殊スキル》

【守護者Level:2(A)】【時空魔法Level:2(S)】

【魔力親和Level:2(SS)】

《スキル》

【身体強化Level:4(D)】

【雑用Level:2(E)】【精神耐性Level:3(B)】

【気配感知Level:3(B)】【槍術Level:3(C)】

【棒術Level:4(D)】

—————————————


「おおおおおおおお!! 一気にレベルが八も上がってるじゃん!! 【槍術】もいつの間にか三になってるし!」


 それに遂に精神力が二〇〇の大台に乗るどころか大きく飛び乗った。

 精神力だけのステータスならC級プレイヤーにも届いているかもしれない。


「今回のダンジョンは最高だ!!」


 更にお金に変わる素材が沢山あるし!


 俺はほくほく顔でダンジョンを跡にした。

 ボスはまた今度だ。


 物凄い数の素材と大量のレベルアップで朝霧さんに驚かれたのは言うまでもない。


——————————————————————————

 ☆とフォローしてくださると嬉しいです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺だけ持っている【異世界の記憶】スキルが最強すぎる件〜ダンジョン溢れる現代を、チート知識と数多のスキルで超速レベルアップして無双します〜 あおぞら @Aozora-31

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ