第10話 好きだよ…

 卒業式が終わった後、最後に3年間ずっと通っていた音楽室に水戸くんと向かう。



 お父さんの部屋に『ピアノと一緒にあった楽譜』その曲を弾いた。


「懐かしいな…」


 よくお父さんが弾いていた事を思い出す⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯




 目を瞑りながら聴いていた水戸はそのまま寝てしまったのか返事がない。


「私を変えてくれてありがとう…私、水戸くんが好きだよ…」


 まだ直接伝えられていない言葉…私は寝ている彼にそう言いながら頭を撫でる。


 バシッ⎯⎯


「お、起きてたの…」


 寝ていたと思っていた彼に手を掴まれた。

 そのまま引き寄せられて抱きしめられる。


「ねぇ、もう一回言ってよ」


「す…好きだよっ!水戸くん!」


も教えてくれたのも水戸くんだ。

 こんなにも心臓が苦しいのかと思う。

 恥ずかしさと緊張で顔が赤くなる。


 私の頬に手を添える水戸くんは、


「名前で呼んで、もう一回」


 意地悪だ…

 私の顔を見てニヤリと笑みを浮かべる水戸くん。


「あ、旭…好き」


 もう死んじゃいそうだ…心臓の音が大きくなる。


「俺も好きだよ、菜穂…」


「んっ」


 唇が重なり何度も角度が変わり水戸くんの気持ちがすごく伝わる。




『旭…ありがとう』



 END

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僕にもその笑顔見せてよ ハル @halu7

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